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相続の基本
相続人調査と相続人の確定
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相続の基本

相続人調査と相続人の確定

 

どうやって相続人を調べるの?

【質問】

 先日父が亡くなりましたが、父の定期預金等や不動産が凍結されていると聞きました。それを解除するためには戸籍が必要と聞きましたが、それはどうやって調べるのか?

【回答ポイント】

 口座凍結は、家族から言わないと凍結はされません。しかし、定期預金等を解約するためには本人でないと解約できませんので、お金を下ろすことはできません。銀行口座を解約するためには、被相続人と相続人の関係を示す戸籍が必要となります。

 また、相続登記をするためには、遺産分割協議書が必要です 

【解説】

 相続手続きに関しては、まず最初に相続人が誰であるかを確定する必要があります。

 相続人の調査は、被相続人(亡くなられた方)の出生から死亡までの戸籍を取得する必要があります。そして、相続順位に従い、被相続人の親族の戸籍も取得していく必要があります。これにより、法定相続人が誰であるかを確認、確定する必要があります。

 

 農業後継者となる相続人は、被相続人と近い距離で住んでいる場合が多いですが、遺産分割を行うにあたっては、遠くに住んでいる相続人も含めて全員を調査する必要があります。

 金融機関等の手続きでは、相続人であることを客観的に証明するために、被相続人の出生から死亡までの戸籍と相続人の現在の戸籍の提出を求められます。したがって、相続人調査は相続手続きを進める際に、避けて通ることはできません。

 

 身内の中では相続人が誰かは、みんな知っていたとしても、他人にはわかりません。

 銀行や法務局、証券会社等で、遺産の名義変更の際に、様々な戸籍の提出を求めるのは、相続関係を客観的に証明する資料を確認する必要があるからです。

 

 相続が開始されると、相続財産は相続人全員の共有財産となります。その共有財産を遺産分割するためには相続人全員の同意が必要となります。もし、相続人の調査をしなかったり、自分なりに調査をしたものの、漏れがあって本来の相続人が全員そろっていない状態で遺産分割協議をしてしまうと、その遺産分割協議は法的には無効であり、協議をやり直さなければなりません。

 

 弊所では法務局における「法定相続情報証明制度」を利用させていただいています。法務局に相続人が誰であるかを証明してもらうのです。ただ、調査そのものはこちらで行わなくてはなりません。

 銀行や市役所に行くと、この「法定相続情報証明制度」の利用案内が見られます。 

 

相続人調査が難しい理由

 相続人調査においては戸籍謄本を丁寧にかつ慎重に読み解くことが求められます。

 非常に時間がかかり面倒な作業を強いられることになります。

 相続人調査が厄介な理由は、大きくは下記の3つあります。

❶戸籍の形式にはいくつかあり、それぞれにその記載方法が違うため、それを正しく理解する必要がある。

 戸籍の形式は、古くは「明治19年式戸籍」「明治31年式戸籍」「大正4年式戸籍」「昭和23年式戸籍」「コンピューター化された原稿戸籍」といったものに分けられ、それぞれ戸籍の記載内容と記載方法が違います。

❷古い時代の戸籍謄本は、手書きで、しかも毛筆で書かれており、さらに字の上手い下手もあり、見慣れない人では何と書いてあるかがわからないのがほとんどです。

 明治、大正のそれぞれの戸籍は、手書きの毛筆体で書かれています。

❸戸籍の種類の違いを正しく理解しておく必要がある。

 戸籍の種類は、「戸籍」「除籍」「原戸籍」の3種類があり、

 戸籍=現在戸籍は、現在存在している戸籍のことをいう。

 除籍=戸籍に記載されている人全員が死亡や結婚、本籍地の移転等でその戸籍に誰もいなくなった戸籍のことをいう。

 原戸籍(はらこせき・げんこせき)・改正原戸籍=戸籍は法律の改正で様式などがかわることがあり、新しい戸籍にかわるまで使われていた古い戸籍のことを原戸籍といいます。(げんこせき)でも(はらこせき)でもどちらでもいいのですが、市役所では「はらこせき」と呼んでいます。

 

 相続において必要になるのは、「謄本」です。「抄本」との区別も記載しておきます。

戸籍謄本・・・戸籍に記載されている全員の身分事項を写したものです。「謄」とは「原本をそのまま書き写す」の意味です。戸籍の原本をすべてコピーするものです。

戸籍抄本・・・戸籍に記載されている一部の人の情報です。「抄」とは、「ぬき書きしたもの」の意味で、戸籍に記載されている人の1人の部分をコピーするものです。

❸戸籍の附票・・・本籍地の市町村において戸籍の原本と一緒に保管している書類で、その戸籍が作られてから(またはその戸籍に入籍してから)現在に至るまで(またはその戸籍から除籍されるまで)の住所が記録されています。

 

 戸籍には、既に存在しない地名が出てくることも珍しくありません。その地名をインターネットで調べて、どこの管轄市町村かを調べ、出生の事実がかかれている戸籍にたどり着くまで収集を続けます。

 

戸籍謄本の具体的な取得方法

 戸籍謄本を取得するためには、本籍地のある市区町村での手続きが必要です。

 実際に市区町村へ出向いて取得する方法と、郵送による申請での取得もあります。

 郵送の場合は、定額小為替による手数料と返信用の封筒に切手を貼って、送り先を書いて同封するなどの手続きが必要になります。

 戸籍謄本を請求することができるのは、原則としてその戸籍の構成員や直系親族の方に限られており(運転免許証など、身分証明書のコピーが必要)、親戚等の代理人が請求する場合は委任状が必要です。

 申請書には請求者の氏名を自書し、印鑑を押す必要があります。

 

 行政書士は職権で委任状なしで戸籍謄本等を取り寄せることができます。

 

「出生から死亡までの連続した戸籍謄本」の取得方法

 「出生から死亡までの連続した戸籍謄本」を集めるのは、意外と難しい手続きです。

❶死亡時の戸籍謄本(除籍謄本)を取得する

❷❶の戸籍の中から「1つ前の本籍地」が記載された個所を見つける

❸見つけた「1つ前の本籍地」の戸籍謄本を取得する

 この❷と❸を繰り返すのですが、その時に、「1つ前の戸籍謄本」をコピーして「1つ前の本籍地」が書かれた箇所にマーカー等でしるしをつけて一緒に送ります。

 そして連続した戸籍で気を付けなくてはいけないのが、そこに書かれている戸籍の日にちに空白がないかをチェックすることです。

 

戦争や災害により戸籍が消滅している場合

 戦争や災害で戸籍が消滅していることもあります。

 その場合は、市町村役場で「不在籍証明」とか「焼失証明書」(役所により呼び方が異なります)といった書類を発行してくれます。

 この焼失証明書には、焼失した原因や日時等が書かれていますが、本来必要な内容については記載はありません。これでは、法務局の方ではだれが相続人かが判断できないので、上申書の提出を求めてくることがあります。

 

【コラム】戸籍の取り寄せ方法が変わります

 2019年5月に戸籍法が改正され、2024年をめどに本籍地以外の市区町村でも戸籍謄本を取り寄せられるようになります。戸籍謄本の取り寄せが1か所でできるようになり、相続人の負担がさらに軽くなります。

 

【コラム】相続人に認知症等判断能力のない方がいた場合

 相続人の中に意思判断能力のないもの(例えば認知症の方)が一人でもいる場合、遺産分割協議はできません。遺産分割協議は相続人全員に判断能力が備わっていることが大前提だからです。遺産分割協議書に印鑑を押させるような行為をした場合は無効となります。

 この場合、その人に代わって家庭裁判所に後見開始の申立てを行い、その人の成年後見人を選任してもらう必要があります。 手間だけでも大変なのですが、農地が相続財産の場合、もっと大きな問題が発生します。

 成年後見人は本人の利益を損なうことができないので、遺産分割協議にあたっても、法定相続分を確保することが原則となります。その場合、農地が共有財産となってしまいまう可能性が高くなります。

 本来その農地を継ぐべき人が、その農地についての意思決定権が成年後見人にもわたってしまい、自由な決定をすることができなくなります。

 

【コラム】相続人に行方不明者がいる場合

 相続人の中に行方不明者がいる場合は、

①不在者の失踪宣告をする

②不在者の財産管理人を選任する

のどちらかを選ぶことになります。

①不在者の失踪宣告をする

 失踪宣告をすることによって、行方不明の相続人は死亡したものとみなされますので、相続財産の名義変更等遺産分割手続きだ出来るようになります。

 但し、失踪宣告をしても行方不明者の相続分が消えてしまうわけではありません。本人が後日出てきたときは、相続分を請求することが出来ます。

②不在者の財産管理人を選任する

 家庭裁判所に不在者財産管理人の選任してもらいます。不在者財産管理人は、不在者の財産を管理したり、不在者の代わりに遺産分割協議に参加することになります。

 

【コラム】相続人に未成年者がいる場合

 相続人の中に未成年者がいる場合、未成年者が法律行為をするには、その法定代理人の同意を得なければなりません。

 未成年者が法律行為を行う場合は、通常は親権者が未成年者の法定代理人として法律行為を行います。

 しかし、親と子がともに相続人である場合、親が子の法定代理人として自分自身と協議することになってしまいます。これでは、利益相反が生じ、子の相続人としての利益が損なわれてしまう恐れがあります。

 したがって、親権を行う父または母とその子との利益が相反する行為については、親権を行うものは、その子のために特別代理人を選任することを家庭裁判所に申し立てなければなりません。

 これにより、遺産分割協議は、親権を行う親と、子の特別代理人との間で行われることとなります。

 家庭裁判所が特別代理人を決定するにあたっては、未成年者との関係や利害関係の有無などの適格性が考慮され、未成年者の利益を保護するための職務を適切に行えるかどうかが判断されます。

 申立書には、特別代理人の候補者名を記載することができますが、家庭裁判所がこれに拘束されるわけではなく、家庭裁判所独自の判断により特別代理人が決定されます。

 

以下の戸籍は、縦書きのもので、古い場合、筆で機械しているものもあり、読めない場合もあります。

 これを繰り返して、被相続人の出生までさかのぼった戸籍及び法定相続人の現在戸籍がそろったら、法務局に「法定相続情報証明制度」を利用して「法定相続情報証明書」を発行してもらうことをお勧めいたします。

 

 法定相続人の中に、あったこともない相続人がいる場合もあるでしょう。当然、相手は、相続が発生したことを知らない可能性があります。

 遺産分割協議は相続人全員の同意が必要ですので、その方を無視することはできません。

 話したくない方もいるでしょうが、お手紙でも構わないので、相続が発生したことを連絡しなければなりません。

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