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相続の基本
相続法改正による変更点
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相続の基本
相続法改正による変更点
何が変わったの?
【質問】
民法(相続税)改正によりいくつか変更があったと聞きますが、何がどう変わったのですか?
【回答ポイント】
変更点は以下の通りです。
❶配偶者の居住権を保護するための方策
❷遺産分割に関する見直し
❸遺言制度に関する見直し
❹遺言執行者の権限・責務の明確化
❺遺留分制度に関する見直し
❻相続の効力等に関する見直し
❼相続人以外の者の貢献を考慮するための方策
【解説】
平成の終わりになって、相続法が大きく変わりました。昭和55年の改正以来、およそ40年ぶりの大改正です。
この改正に大きく影響したのが、平成25年9月4日の最高裁大法廷の判断です。
嫡出でない子の相続分に関する規定(平成25年12月 改正前の民法900条4号ただし書によれば、嫡出でない子の相続分は、嫡出である子の相続分の2分の1)について、最高裁は違憲であるとの判断を下しました。
この判断を受けて、平成25年12月に、旧900条第4号の規定が改正されました。
この時の国会審議等において、相続法の見直しの必要性についての問題提起がなされ、この度の相続法改正につながりました。
改正分野は次の7つ
❶配偶者の居住権を保護するための方策
・配偶者居住権の新設
・配偶者短期居住権の新設
❷遺産分割に関する見直し
・特別受益の持ち戻し免除の意思表示
・仮払い制度等の創設・要件明確化
・遺産の分割前に遺産を処分した場合の遺産の範囲
❸遺言制度に関する見直し
・自筆証書遺言の方式緩和
・法務局における自筆証書遺言の保管制度の創設
❹遺言執行者の権限・責務の明確化
❺遺留分制度に関する見直し
・遺留分侵害額請求権の金銭債権化
・遺留分侵害額の計算方法の明確化
❻相続の効力等に関する見直し
・法定相続分を超える権利取得の対抗要件
・相続分が指定された場合の相続債権者の立場の明確化
❼相続人以外の者の貢献を考慮するための方策
・相続人以外の被相続人の親族を保護する規定の新設
【コラム】配偶者居住権(2020年4月1日施行)
配偶者が相続開始時に被相続人所有の建物に居住していた場合に、配偶者は、遺産分割において配偶者居住権を取得することにより、終身又は一定期間、その建物に無償で居住することが出来ます。また、被相続人が遺贈等によって配偶者に配偶者居住権を取得させることもできます。
例を挙げて説明すると、被相続人が2000万円の自宅と現金3000万円をもっていたとします。相続人はその配偶者と息子の二人です。
その配偶者は、配偶者居住権(1000万円)と預貯金1500万円をその子は負担付き所有権(1000万円)と預貯金1500万円を相続することになります。
配偶者は自宅での居住を継続しながらその他の財産も相続できるようになります。
今までは、配偶者が自宅を相続しようとすると、2000万円の自宅と500万円の預貯金を相続せざるを得ませんでした。
【コラム】婚姻期間が20年以上の夫婦間における居住用不動産の贈与等に関する優遇措置(2019年7月1日施行)
婚姻期間が20年以上である夫婦間で居住用不動産(居住用建物又はその敷地)の遺贈又は贈与がされた場合については、原則として、遺産分割における配偶者の取り分が増えることになります。
このような規定を設けることにより、配偶者は、より多くの財産を取得することが出来る。
例で説明すると、相続人が配偶者と子2人。遺産が居住用不動産2000万円、その他の財産6000万円。配偶者に対する贈与 居住用不動産2000万円。
居住用不動産は、生前贈与分について相続財産とみなす必要がなくなる結果、配偶者の遺産分割における取得額は、8000万円×1/2=4000万円、となり、最終的な取得額は、4000万円+2000万円=6000万円となり、贈与がなかったとした場合に行う遺産分割より多くの財産を最終的に取得できることになる。
【コラム】預貯金の払戻し制度(2019年7月1日施行)
預貯金が遺産分割の対象となる場合に、各相続人は、遺産分割が終わる前でも、一定の範囲で預貯金の払戻しを受けることが出来るようになります。
遺産分割における公平性を図りつつ、相続人の資金需要に対応できるよう、以下の2つの制度を設けました。
①預貯金債権の一定割合(金額による上限あり)については、家庭裁判所の判断を経なくても金融機関の窓口における支払いを受けることが出来る。
相続開始時の預貯金債権の額(口座基準)×1/3×(当該払戻しを行う共同相続人の法定相続分)=単独で払い戻しをすることが出来る額
※ただし、1つの金融機関から払い戻しが受けられるのは150万円まで。
②預貯金債権に限り、仮払いの必要性があると認められる場合には、他の共同相続人の利益を害しない限り、家庭裁判所の判断で仮払いが認められるようになった。
【コラム】特別の寄与の制度(2019年7月1日施行)
相続人以外の被相続人の親族が無償で被相続人の療養看護等を行った場には、相続人に対して金銭の請求をすることが出来る。
これは逆を言うと、請求しないと貰えないということである。
例えば、先に亡くなった長男の妻が、その長男の父の療養看護等を行っていたとして、相続開始後、長男の妻は、相続人に対して、金銭の請求をすることが出来る、というものである。しかし、長男の妻が、果たしてその請求を出来るかどうか疑問である。
特別の寄与の制度
相続 目次
【目次】※お知りになりたい項目をクリック又は押してください
相続の基本
・相続財産調査 ➤
・相続方法の決定(単純相続・相続放棄・限定承認) ➤
・相続関係説明図 ➤
・遺留分 ➤
・遺産分割協議 ➤
・相続税の基礎控除と生命保険の非課税枠 ➤
・ご自分で相続登記をされる方へ ➤
・相続税法改正による変更点 ➤
弊所に依頼する理由
・『相続と終活の相談室 オフィスなかいえ』が選ばれるわけ ➤
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【相談無料】任意後見契約は、判断能力が十分なときに、将来判断能力が低下した時のためにお金の管理や法的な手続(どちらもできないと思われる)に関して備える契約です。この契約の趣旨は、本人の意思の尊重・自己決定の尊重で、自分で契約の相手を選べるということです。