複雑で面倒な相続の手続き
相続の手続きは一律ではない
・どんな手続きが必要?
        ・いろんな制度があるが、理解できない
    ・相続税ってどれくらい払うの?

千葉県・茨城県の相続
相続と終活の相談室
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相続の基本

相続とは ➤

相続手続きの大切さ ➤

相続の始まり(ある人が亡くなった) ➤

遺言書は?(葬儀が終わりました。次何をすれば?) ➤

相続順位と法定相続分(誰がどれだけ相続できるの?) ➤

相続人調査と相続人の確定(どうやって相続人を調べるの?) ➤

相続財産調査(亡くなった人の財産はどうやって調べるの?) ➤
相続方法の決定・単純相続・相続放棄・限定承認(財産はすべて相続しなければならないの) ➤

相続関係説明図(相続手続きにおいて書類が多すぎない?) ➤
遺留分(父の遺言書に書かれた相続割合に不満がある(争うつもりはない) ➤
遺産分割協議(遺言書なく亡くなったら?) ➤

相続税の基礎控除(相続したらみんな相続税をはらうの?
) ➤

生命保険の非課税枠(生命保険は相続と関係あるの?) ➤

不動産の手続きがまだ終わっていない方(相続登記申請書の書き方) ➤

ご自分で相続登記をされる方へ(不動産登記が終わっていない?) ➤
相続税法改正による変更点(何が変わったの?) ➤

弊所に依頼する理由
『相続と終活の相談室 オフィスなかいえ』が選ばれるわけ ➤
「個人情報」および「機密情報」の取り扱いに関する差入書 ➤

新型コロナウィルス感染症に関する弊所の対応 ➤

相続の基礎

相続とは

「相続とは」

 「相続」とは、ある人が死亡したときに、その人の財産(すべての権利にゃ義務)を、特定の人が引き継ぐことを言います。

 一般的には、亡くなった人の財産を配偶者や子といった関係者がもらうことです。

 

 相続では、この亡くなった人を「被相続人」財産をもらう人を「相続人」と言います。

相続手続きの大切さ

 「相続手続きの大切さ」について、お話しさせていただきます。

 

 そもそも、「相続」とは、何でしょう?

 相続とは、死亡した人の財産に属した一切の権利義務を、一定の親族(相続人)が引き継ぐことを言います。簡単に言うと、亡くなった人の財産を、配偶者や子たち関係者が承継することです。

 

 最近、相続手続きを行わずに、そのままにしている方が多いと聞きます。銀行の預金が普通預金だけであれば、何とかなるもので、不動産を持っていても、相続登記をやらずにそのままにしていても当面困ることがないので、放置されてきた側面があるようです。しかし、その時は困らなくても、いずれ後悔するような事態がは発生するかもしれません。

 以下は相続手続きを行わなかったら、大変なことになるという例です。

(ケース1)
 Aが亡くなりました。
 Aには配偶者Bと、結婚して別居している長男Cがいます。
 相続財産は、マンション(支払い完了済み)と預貯金です。

【銀行手続き】

  まず初めに、Bは銀行や郵便局にお金を下ろしに行くでしょう。

 BはAの普通預金の口座の暗証番号を知っているので、窓口を通さず、CDでキャッシュカードで下ろします。一日で下ろせる額は決まっているので、何日かに分けて落とします。しかし定期預金や投資信託はそうはいきません。それで窓口で下ろそうとすると、AさんとBさんの関係が始まった時までの戸籍を取ってきてくださいと言われます。それとともに、今までAさんの設定していた暗証番号で下ろせていた普通預金も、それを言ったその時から口座は凍結され、下ろすことはでなくなります。

 これが口座凍結です。

 口座凍結を銀行がルール通りに行うかどうかはわかりません。そんなことをすると、大切なお客様を失ってしまう可能性がありますから。実際に弊所に来たお客様の中には、口座凍結どころか、解約もできたと話していらっしゃいました。

 取り合えず、Bは急いで戸籍を取りに行きます。Aさんとの関係が生じた時に遡って戸籍を収集することが簡単な人もいれば、手間のかかる人もいます。戸籍をこまめに変更している人は、それぞれの市町村役場で収集しなければならないのです。自分で行ける範囲であればなんとかなりますが、行けないような遠くであればどうなるでしょう。

 本籍についは、引っ越すたびに移動する人と、生まれた時のまま変更しない人もいます。自由ですから。引っ越すたびに移動している方は、その都度全ての本籍を置いてあった市区町村に取りに行かねばなりませんし、変更していない人は、遠くの本籍のある所に取りに行くか、郵送で請求することになります。
 直接市町村役場に行けば、何もわからなくても役場の方が教えてくれます。でも、直接行けない場合(郵送で請求する場合)そうもいきません。電話口で教えてくれますが、直接お会いして説明をうけるのと、電話口で説明を聞くのでは大きな差があります。

 今はインターネットでなんでも調べられますが、それになれている人ならともかく、そうでないと、簡単ではありません。

 

 さて、その戸籍は何とかクリアしたとして、それをもって銀行口座は何とかなりました。(預貯金の引き下ろしクリア)

【不動産の手続き】
 これで相続が終わったわけではありません。A名義の不動産を家族名義に変更しなければなりません。
 これを相続登記というのですが、これをしないで先延ばしすることも可能ですが、そうするといくつかの問題点が出てきます。Bが認知症になって施設に入ることになっても、不動産を処分するときは持ち主でなければ売れませんが、その時の持ち主はA。Aはすでに亡くなっているので、Cが代理することはできません。

 CはAの遺産分割協議を行わなければなりませんが、それを行うにはBの承諾が必要ですが、Bは認知症のため判断の能力がなく、遺産分割協議に参加できません。どうしてもその不動産を売らなければBの施設への入所ができないのであれば、Bに法定後継人を付けることになります。

 そうすると、Bには法定相続分の財産を相続することになり、そこから施設入所費と法定後継人の費用を払い続けることになります。

 

 さて、2021年4月に所有者が分からない土地の問題を解消するための関連法が参院本会議で可決、成立しました。2024年をめどに土地や建物の相続を知った日から3年以内に登記するよう義務づけることになりました。そうすると、今は義務化されていないので、先延ばしもできますが、2024年以降はできなくなるでしょう。

 ただ、それとともに、相続登記の手続きも簡素にするようになるようですが。

 

相続の始まり(ある人が亡くなった)

【質問】

先日、私の夫が死亡しました。

その死亡の事実を、誰が、いつまでに、どこに、届けるのでしょうか?

その届出には、どんなものが必要でしょうか?

また、死亡した夫を埋葬するには、どのような手続が必要でしょうか?

死亡した夫に任意後見人がついていて、各種契約をしていた場合、どのような手続が必要でしょうか?

【回答ポイント】

❶ 届出義務者が、死亡の事実を知った日から原則として7日以内に、死亡者の本籍地、届出人の所在地、死亡地の市区町村に死亡届を提出しなければなりません。

❷ 死亡届には、所定の事項を記載したうえで、死亡診断書または死体検案書を添付しなければなりません。

❸ 死亡者を埋葬するためには、死体火埋葬について市町村の許可を受けなければなりません。

❹ 被相続人の成年後見人が死後事務として成年被後見人の火葬等に関する契約の締結その他相続財産の保存に必要な行為をする場合には、家庭裁判所の許可が必要です。

【手続】

死亡の届出

作成書類 死亡届

添付書類 死亡診断書(死体検案書)

届出時期 死亡の事実を知った日から7日以内(原則)

届出者  ・同居の親族

     ・その他の同居者

     ・家主、地主または家屋もしくは土地の管理人

     ・同居の親族以外の親族、後見人、保佐人、補助人、任意後見人および任意後見受任者

届出先  死亡者の本籍地または届出人の所在地もしくは死亡地

【解説】

 相続は、被相続人が亡くなったときから始まります。

 相続人が行方不明でない限り、昔と違って被相続人の死は瞬時に伝わるでしょう。

 ですから、ご家族の方は、最短の日取りで葬儀等を決めてしまいます。

 また、まだ葬儀が終わっていないのに、相続の手続きに来られる方もいらっしゃるほどです。

 

 自宅でご家族が急変した場合、状況により、連絡先が119番か110番に分かれます。これは落ち着いて判断ください。

 自宅で急変した場合、大きく分けて2通りのケースがあります。

 一つは、病気などの自宅療養中に容体が急に悪化する場合。この場合は、主治医に至急の連絡を入れて、来てもらえるように依頼を出します。

 心臓や血管の急変の場合は、動かすことでさらに悪化することもあるので、どのように対処するかを、医師の指示をあおぎます。医師の診断後、死亡が確認された場合は、「死亡診断書」を書いてもらいます。

 もう一つの場合は、療養等でない方が急変した場合です。

 高齢者の場合、入浴中や就寝中の急変はよくあります。119番に連託して、指示に従いましょう。心臓発作など組成の可能性がある場合は、救急車で病院に搬送されます。

 転倒や転落などの事故死や変死が疑われた場合は、警察による現場検証と検視が必要になりますので、自然死と確認されるまで、遺体を動かしてはいけません。そのように、法律で定められています。

 警察が死亡原因の特定をするため、(事故死の場合は)行政解剖や(犯罪や事件の可能性がある場合は)司法解剖を行うこともあります。この場合は、遺体が自宅に戻るのにすこし時間がかかります。

 日本の法律では、主治医による「死亡診断書」または警察による「死体検案書」の交付がないと、火葬や納骨などの手続きが行えません。

 病院であれば臨終時に立ち会った医師に書いてもらえますが、自宅で死亡した際には医師に来てもらわなければならないため、その分手間がかかります。

 一般の場合、死亡診断書を発行できないので、死亡診断書と同じ内容の「死体検案書」を交付できる警察署に連絡することになります。警察が来るとまず事件性が疑われて、遺族に対する事情聴取と現場検証が行われます。しかし、心配する必要はありません。監察医や検察官が検視をして特に事件性がないと判断されれば、すぐに死体検案書を発行してもらえます。

 

 自宅で亡くなったら、次の2点に注意が必要です。

〇あわてて救急車を呼ばない

 ご家族が自宅で亡くなった場合、どこに連絡すればいいのかわからなくて、つい救急車に連絡してしまうケースもあるかもしれません。蘇生する可能性があれば、病院へ搬送してもらうことも可能です。しかし、明らかに死亡している状態では、救急隊員は警察を呼んですぐに帰ってしまいます。なぜなら、基本的に救急車は遺体搬送をできないからです。救急車を呼んだら、警察が来ることになります。

〇遺体を動かさない

 警察が介入する場合は、亡くなった人の状態をそのままにしておく必要があります。例えば、お風呂場で裸の状態で亡くなっていたとしても、警察が来る前に服を着せてはいけません。身内であっても勝手に遺体を動かすと、警察から事情を聴取されることになります。死体検案書が作成されるまでは、触りたくなる気持ちをぐっとこらえましょう。

 

 病院や施設で亡くなった場合は、そこには担当医がいるので、死亡診断書がかかれます。

 そこで、何もわからず葬儀社リストを見せてもらい、連絡して遺体を引き取り、死亡診断書を市役所に提出します。その時に、葬儀社の方が、最低限の手続き(死亡届提出)をやってもらうこともあるでしょう。

 

【手続き】

死体火埋葬の許可

・通常、死亡届と同時に申請し、市町村役場で発行してもらいます。

遺言書は?(葬儀が終わりました。つぎ何をすれば?)

【質問】

葬儀が終わり、財産整理をしたいのですが、どこから手を付ければいいのですか?

【回答ポイント】

まず、一番最初に調べなければならないのが、遺言書があるかどうかです。

【解説】

 相続が始まったら(被相続人が亡くなった時点で相続は始まっています)、一番最初に遺言書があるかを確認してください。

 公正証書遺言であれば公正役場に、自筆証書遺言であれば法務局および自宅にないかを確認します。自筆証書遺言は、2020年7月10日より法務局における遺言書の保管ができるようになりましたので、遺言書がそれ以降に預けたのであれば法務局にあり可能性も高く、その場合、公正証書遺言同様、家庭裁判所の検認は不要です。

 ※検認=家庭裁判所が遺言書の存在及び内容を確認するために調査する手続きで、時間がかかってしまいます。

 

 相続財産が農地の場合、全員に平等に分けることがほぼできないため、被相続人(亡くなった方)が何らかの対策をうっているかもしれないので、注意する必要があります。例えば、財産の全てを農業従事者である親族(いわゆる跡取り)に承継させるという遺言書を作成していることも少なくありません。

 

 遺言には、普通方式の遺言(自筆証書遺言・公正証書遺言・秘密証書遺言)と、特別方式の遺言(危急時遺言・隔絶時遺言)があります。

 ここでは一般的な自筆証書遺言と公正証書遺言のみを説明いたします。

 

(1)自筆証書遺言

 遺言者がその全文、日付及び氏名を自書し、押印する方式の遺言です。

 もっとも、相続財産の目録に関しては、パソコン等で作成することや銀行口座のコピーでも構いません。これは、相続法の改正により、2019年1月13日より可能となったものですが、2019年1月13日(平成31年1月13日)以前のものは注意が必要です。

 

(2)公正証書遺言

 公正証書遺言の方式は、以下のとおりです。

①証人2人以上の立会いがあること

②遺言者が遺言の趣旨を公証人に口授すること

③公証人が、遺言者の口述を筆記し、これを遺言者及び証人に読み聞かせ、又は閲覧させること

④遺言者及び証人が、各自署名押印すること

⑤公証人が、上記の方式に従って遺言書を作成したものであることを付記して署名押印すること

 

【コラム】公正証書遺言を依頼する前に

 ご自分の親が弱ってきて、どうしても遺言で残してほしいと思って、公正証書遺言を依頼し、病院等への出張依頼があるのですが、こういった場合、大抵は上記公正証書遺言の②の遺言者が遺言の趣旨を公証人に口授することができない状態であることがほとんどです。頭がしっかりとしているが、体がゆうこと聞かないのであれば全く可能ですが、意思判断能力がない場合、遺言を残すことはできません。

 依頼する前に、チェックしてください。

 

【コラム】遺言の利用状況

 遺言を書いている方の割合ですが、毎年の公正証書遺言の件数と、これに自筆証書遺言を足すのですが、自筆証書遺言は分かりません。ただし、遺言として有効な家庭裁判所の検認件数は分かっているのでその件数を足してみると、65歳以上の高齢者の約8%が遺言を書いているのではないでしょうか。

 

【コラム】遺言に記入漏れがあった場合

   「○○に全ての財産を相続させる」という遺言書であれば問題ないのですが、個別財産を分ける遺言の場合、記入漏れがあり、遺言書に書かれていない財産が出ることがあります。この場合、その財産に関しては遺産分割協議をしなけれななりません。

 それで、相続人に判断能力のない人がいたならば、せっかく遺言書まで書いたのに、法定後見人を付ける羽目になります。

 このように、相続後のトラブルを防ぐために、生前に「上記以外の財産は、○○に相続させる」というように書いておくことがいいのではないでしょうか。

  

【コラム】遺言と異なる相続をしたい場合

 有効な遺言が存在する場合でもあっても、相続人全員の合意によれば、遺言と異なる内容の遺産分割をすることが可能です。

 例えば、被相続人が財産の分け方について、遺言書に記載していたとしても、それが相続人にとって望まない分け方かもしれません。その場合、相続人の話し合い(遺産分割協議)により、別の分け方にすることも可能です。

相続順位と法定相続分(誰がどれだけ相続できるのか?)

【質問】

先日家族が亡くなりました。故人の財産は、どのような人が、どれだけ相続することができるのですか?

【回答ポイント】

 相続することができる人は、民法で定められていて、それを法定相続人といいます。

 法定相続人がどのような割合で相続できるかも定められており、これを法定相続分といいます。

【解説】

 相続順位と法定相続分についてみてみましょう。

 法定相続人になれる順位のことを相続順位といいます。

【相続順位】

 ある人が亡くなった場合、配偶者がいれば配偶者は必ず相続人になります。ですから、配偶者に順位はありません。

 第1順位の相続人は直系の卑属(子)がなります。前妻の子や胎児も含みます。

 子が死亡している場合は、その子(孫)が第1順位の相続人となります。孫が死亡しているときはひ孫が相続人となります。これを代襲相続人といいます。

 ここで注意しなくてはならないのが、子の配偶者は相続人ではありません。気を付けてください。

 ・亡くなった方に子がいなかった場合、つまり第1順位の相続人がいなかった場合、第2順位の相続人に行きます。直系の尊属(父、母)です。父母が2人とも死亡している場合、祖父母(おじいちゃん、おばあちゃん)です。

 ・直系尊属がいない場合、第3順位の相続人として兄弟姉妹がなります。兄弟姉妹が亡くなっている場合、その子(甥姪)が第3順位の相続人になります。

 

【法定相続分】

 法定相続分とは、相続人間の公平を図る理念の下、各相続人の取り分として法律上定められた割合のことをいいます。

 

 ・相続人が、配偶者とその子の場合

 配偶者:1/2

 子  :1/2(子が2人いる場合2人で1/2、つまりそれぞれ1/4)

 ※子は養子であっても、認知された被嫡出子(婚外子)であっても、相続分は同じです。すでに子が死亡していても、孫がいれば孫に、というように後の世代の直系卑属が相続人となります。

 ・相続人が,配偶者と父母の場合

 配偶者:2/3

 父母 :1/3(父母が2人ともいる場合2人で1/3、つまりそれぞれ1/6)

 ・相続人が、配偶者と兄弟姉妹の場合

 配偶者 :3/4

 兄弟姉妹:1/4(兄弟姉妹が2人いる場合2人で1/4、つまりそれぞれ1/8)

 

 相続順位と法定相続分に関しては、ことばで示すより、図で示した方がわかりやすいので、下記に図で説明します。

 

 相続にはその他いろんなパターンがあります。

 相続には様々なことが考えられますので、その場合はご相談ください。

相続順位

法定相続分

相続人調査と相続人の確定(どうやって相続人を調べるの?)

【質問】

 先日父が亡くなりましたが、父の定期預金等や不動産が凍結されていると聞きました。それを解除するためには戸籍が必要と聞きましたが、それはどうやって調べるのか?

【回答ポイント】

 口座凍結は、家族から言わないと凍結はされません。しかし、定期預金等を解約するためには本人でないと解約できませんので、お金を下ろすことはできません。銀行口座を解約するためには、被相続人と相続人の関係を示す戸籍が必要となります。

 また、相続登記をするためには、遺産分割協議書が必要です。 

【解説】

 相続手続きに関しては、まず最初に相続人が誰であるかを確定する必要があります。

 相続人の調査は、被相続人(亡くなられた方)の出生から死亡までの戸籍を取得する必要があります。そして、相続順位に従い、被相続人の親族の戸籍も取得していく必要があります。これにより、法定相続人が誰であるかを確認、確定する必要があります。

 

 農業後継者となる相続人は、被相続人と近い距離で住んでいる場合が多いですが、遺産分割を行うにあたっては、遠くに住んでいる相続人も含めて全員を調査する必要があります。

 金融機関等の手続きでは、相続人であることを客観的に証明するために、被相続人の出生から死亡までの戸籍と相続人の現在の戸籍の提出を求められます。したがって、相続人調査は相続手続きを進める際に、避けて通ることはできません。

 

 身内の中では相続人が誰かは、みんな知っていたとしても、他人にはわかりません。

 銀行や法務局、証券会社等で、遺産の名義変更の際に、様々な戸籍の提出を求めるのは、相続関係を客観的に証明する資料を確認する必要があるからです。

 

 相続が開始されると、相続財産は相続人全員の共有財産となります。その共有財産を遺産分割するためには相続人全員の同意が必要となります。もし、相続人の調査をしなかったり、自分なりに調査をしたものの、漏れがあって本来の相続人が全員そろっていない状態で遺産分割協議をしてしまうと、その遺産分割協議は法的には無効であり、協議をやり直さなければなりません。

 

 弊所では法務局における「法定相続情報証明制度」を利用させていただいています。法務局に相続人が誰であるかを証明してもらうのです。ただ、調査そのものはこちらで行わなくてはなりません。

 銀行や市役所に行くと、この「法定相続情報証明制度」の利用案内が見られます。 

 

相続人調査が難しい理由

 相続人調査においては戸籍謄本を丁寧にかつ慎重に読み解くことが求められます。

 非常に時間がかかり面倒な作業を強いられることになります。

 相続人調査が厄介な理由は、大きくは下記の3つあります。

❶戸籍の形式にはいくつかあり、それぞれにその記載方法が違うため、それを正しく理解する必要がある。

 戸籍の形式は、古くは「明治19年式戸籍」「明治31年式戸籍」「大正4年式戸籍」「昭和23年式戸籍」「コンピューター化された原稿戸籍」といったものに分けられ、それぞれ戸籍の記載内容と記載方法が違います。

❷古い時代の戸籍謄本は、手書きで、しかも毛筆で書かれており、さらに字の上手い下手もあり、見慣れない人では何と書いてあるかがわからないのがほとんどです。

 明治、大正のそれぞれの戸籍は、手書きの毛筆体で書かれています。

❸戸籍の種類の違いを正しく理解しておく必要がある。

 戸籍の種類は、「戸籍」「除籍」「原戸籍」の3種類があり、

 戸籍=現在戸籍は、現在存在している戸籍のことをいう。

 除籍=戸籍に記載されている人全員が死亡や結婚、本籍地の移転等でその戸籍に誰もいなくなった戸籍のことをいう。

 原戸籍(はらこせき・げんこせき)・改正原戸籍=戸籍は法律の改正で様式などがかわることがあり、新しい戸籍にかわるまで使われていた古い戸籍のことを原戸籍といいます。(げんこせき)でも(はらこせき)でもどちらでもいいのですが、市役所では「はらこせき」と呼んでいます。

 

 相続において必要になるのは、「謄本」です。「抄本」との区別も記載しておきます。

❶戸籍謄本・・・戸籍に記載されている全員の身分事項を写したものです。「謄」とは「原本をそのまま書き写す」の意味です。戸籍の原本をすべてコピーするものです。

❷戸籍抄本・・・戸籍に記載されている一部の人の情報です。「抄」とは、「ぬき書きしたもの」の意味で、戸籍に記載されている人の1人の部分をコピーするものです。

❸戸籍の附票・・・本籍地の市町村において戸籍の原本と一緒に保管している書類で、その戸籍が作られてから(またはその戸籍に入籍してから)現在に至るまで(またはその戸籍から除籍されるまで)の住所が記録されています。

 

 戸籍には、既に存在しない地名が出てくることも珍しくありません。その地名をインターネットで調べて、どこの管轄市町村かを調べ、出生の事実がかかれている戸籍にたどり着くまで収集を続けます。

 

戸籍謄本の具体的な取得方法

 戸籍謄本を取得するためには、本籍地のある市区町村での手続きが必要です。

 実際に市区町村へ出向いて取得する方法と、郵送による申請での取得もあります。

 郵送の場合は、定額小為替による手数料と返信用の封筒に切手を貼って、送り先を書いて同封するなどの手続きが必要になります。

 戸籍謄本を請求することができるのは、原則としてその戸籍の構成員や直系親族の方に限られており(運転免許証など、身分証明書のコピーが必要)、親戚等の代理人が請求する場合は委任状が必要です。

 申請書には請求者の氏名を自書し、印鑑を押す必要があります。

 

 行政書士は職権で委任状なしで戸籍謄本等を取り寄せることができます。

 

「出生から死亡までの連続した戸籍謄本」の取得方法

 「出生から死亡までの連続した戸籍謄本」を集めるのは、意外と難しい手続きです。

❶死亡時の戸籍謄本(除籍謄本)を取得する

❷❶の戸籍の中から「1つ前の本籍地」が記載された個所を見つける

❸見つけた「1つ前の本籍地」の戸籍謄本を取得する

 この❷と❸を繰り返すのですが、その時に、「1つ前の戸籍謄本」をコピーして「1つ前の本籍地」が書かれた箇所にマーカー等でしるしをつけて一緒に送ります。

 そして連続した戸籍で気を付けなくてはいけないのが、そこに書かれている戸籍の日にちに空白がないかをチェックすることです。

 

戦争や災害により戸籍が消滅している場合

 戦争や災害で戸籍が消滅していることもあります。

 その場合は、市町村役場で「焼失証明書」(役所により呼び方が異なります)といった書類を発行してくれます。

 この焼失証明書には、焼失した原因や日時等が書かれていますが、本来必要な内容については記載はありません。これでは、法務局の方ではだれが相続人かが判断できないので、上申書の提出を求めてくることがあります。

 

【コラム】戸籍の取り寄せ方法が変わります

 2019年5月に戸籍法が改正され、2024年をめどに本籍地以外の市区町村でも戸籍謄本を取り寄せられるようになります。戸籍謄本の取り寄せが1か所でできるようになり、相続人の負担がさらに軽くなります。

 

【コラム】相続人に認知症等判断能力のない方がいた場合

 相続人の中に意思判断能力のないもの(例えば認知症の方)が一人でもいる場合、遺産分割協議はできません。遺産分割協議は相続人全員に判断能力が備わっていることが大前提だからです。遺産分割協議書に印鑑を押させるような行為をした場合は無効となります。

 この場合、その人に代わって家庭裁判所に後見開始の申立てを行い、その人の成年後見人を選任してもらう必要があります。 手間だけでも大変なのですが、農地が相続財産の場合、もっと大きな問題が発生します。

 成年後見人は本人の利益を損なうことができないので、遺産分割協議にあたっても、法定相続分を確保することが原則となります。その場合、農地が共有財産となってしまいまう可能性が高くなります。

 本来その農地を継ぐべき人が、その農地についての意思決定権が成年後見人にもわたってしまい、自由な決定をすることができなくなります。

 

【コラム】相続人に行方不明者がいる場合

 相続人の中に行方不明者がいる場合は、

①不在者の失踪宣告をする

②不在者の財産管理人を選任する

のどちらかを選ぶことになります。

①不在者の失踪宣告をする

 失踪宣告をすることによって、行方不明の相続人は死亡したものとみなされますので、相続財産の名義変更等遺産分割手続きだ出来るようになります。

 但し、失踪宣告をしても行方不明者の相続分が消えてしまうわけではありません。本人が後日出てきたときは、相続分を請求することが出来ます。

②不在者の財産管理人を選任する

 家庭裁判所に不在者財産管理人の選任してもらいます。不在者財産管理人は、不在者の財産を管理したり、不在者の代わりに遺産分割協議に参加することになります。

 

【コラム】相続人に未成年者がいる場合

 相続人の中に行方不明者がいる場合は、

①不在者の失踪宣告をする

②不在者の財産管理人を選任する

のどちらかを選ぶことになります。

①不在者の失踪宣告をする

 失踪宣告をすることによって、行方不明の相続人は死亡したものとみなされますので、相続財産の名義変更等遺産分割手続きだ出来るようになります。

 但し、失踪宣告をしても行方不明者の相続分が消えてしまうわけではありません。本人が後日出てきたときは、相続分を請求することが出来ます。

②不在者の財産管理人を選任する

 家庭裁判所に不在者財産管理人の選任してもらいます。不在者財産管理人は、不在者の財産を管理したり、不在者の代わりに遺産分割協議に参加することになります。

相続財産調査(亡くなった人の財産はどうやって調べるの?)

【質問】

親父とは一緒に暮らしていないので、親父の財産がどれだけあるのかわかりません。

【回答ポイント】

①不動産の所持がおおむねわかっているときは、その不動産の所在市町村の名寄帳で調べることができます。また、固定資産評価証明書でもわかります。

②預貯金に関しては、カードや通帳及び郵便物で口座をしらべます。最近はインターネットバンキング等ネットで管理されている場合もありますので、注意が必要です。

③休眠口座の場合、郵便物がないので、古いキャッシュカードはや古い通帳を頼りに調べます。

【解説】

 相続人調査と並行して、遺産調査も行い、相続発生後の財産内容を調べる必要があります。

 下記のような会話をしていませんか?

 「親と財産の話をしたことがなく、相続財産がどれほどあるのかわからない。」

 「親にいくら持っているか聞いたけど、教えてくれなかった。」

 「兄弟で仲が悪く、亡くなった両親と同居していた兄が預金通帳を持っているはずだが、持っていないと言っている。」

 「相続人の一人が葬儀のことや香典のことを取り仕切って、どのような状況かわからない。」

 「兄が相続の手続きをしているが、内容がわかない。」

等々、皆さん相続財産がどれだけあるかわからず、不満や不安をお持ちです。

 

相続財産調査の目的

 相続財産調査の主な目的は、

❶相続をするのかしないのかを判断するため

❷権利があるのかないのかを判断するため

❸遺産分割協議のため

❹相続税を払う必要があるのか、ないのかを判断するため、また、相続税申告のため(これは税理士が行う調査です)

があります。

 

それぞれは、以下の通りです。

❶相続をするのかしないのか

 相続をするとプラス財産だけではなく、負債等のマイナス財産も相続することになります。プラス財産よりもマイナス財産の方が大きい場合、相続人は自分の財産で、負債を弁済していくことになります。

 相続人は、必ず相続しなければならないわけではありません。相続を放棄することもできるのです。

 そのための判断をするために、相続財産を調査する必要があるのです。

 

❷権利があるのかないのかを判断するため

 財産=もの、だけではありません。

 各種権利も財産になります。

 その権利を行使することができるのか、できないのかを判断するために、調査する必要があるのです。

 

❸遺産分割協議のため

 どのように遺産を分割するかを決めるための協議を遺産分割協議といいます。遺産がどれだけあるかを知らないと、分けることができないので、そのためにも、相続財産調査は必要です。

 

❹相続税を払う必要があるのか、ないのかを判断するため

 相続税は必ず払わなければならないというわけではありません。

 相続税には基礎控除があります。

 基礎控除額=3000万円+600万円×法定相続人の数

 この金額以内であれば、課税されません。

 ですから、相続財産をしらべて、この金額以内であれば、相続税を払わなくてもいいのです。それを知るためにも、相続財産調査は必要になります。

 

さらに詳しくシミュレーションしたい方は下記へどうぞ。

https://yyynakaie.hanamaru-syukatsu.com/quick_diagnosis

 

相続財産調査の方法

 相続財産で大きなウエイトを占めるのは、自宅等の不動産と預貯金・有価証券等の金融資産です。

 不動産に関しては、所有していない場合もありますが、預貯金口座は基本持っていると思います。

 ですから、一般には相続財産調査というのは、不動産調査と金融資産調査ということになります。

 相続人調査と並行して、金融資産調査を始めます。

 預金通帳と郵便物から銀行、証券会社等がわかります。

 固定資産税の支払いから、どこの市町村に不動産を持っているかがわかります。

 

預貯金・債権の調査

 銀行の預貯金に関しては、ネット化されているものもあり、通帳やキャッシュカードがないものもありますので、注意が必要です。メール等が見れるのであれば、メール等で確認が必要となります。

 銀行口座の整理が出来ていない方も多いでしょう。自宅にいくつかの預金通帳やキャッシュカードはありませんか。

 それらの多くは、休眠口座になっている場合が多いのですが、いくら残っているのかわからない状態です。

 ※休眠口座=金融機関に預金として預け入れたまま、長期間その口座へ預金者側から出入金などの取引が行われなくなり、金融機関側から預金者への連絡も取れなくなった状態の預金口座のことで、特別の手続きをしないと引き出すことはできません。

 被相続人も同様の状態だったと思います。下ろしたいのだけれど、キャッシュカードは使えなくなって、近くにその銀行がないので、そのままにしているという場合です。

 そういった休眠口座も調べなければなりません。

 また、農地を持っている方は、農協に口座を持っているものです。しかし、一般の銀行口座を持っている方も多く、チェックが必要です。

 

 預貯金は、相続発生日(亡くなった日)の残高を取得することになります。調べたその日の残高ではありません。相続発生日の残高で分配します。

 

不動産の調査

 不動産に関しては、固定資産税の通知書に、どの市町村の不動産かがわかりますから、その市町村で名寄帳を取得します。名寄帳にはその市町村の課税不動産の全てが書かれていますので、不動産調査方法としてはとても便利です。

 ただし、この名寄帳には課税対象不動産しかのらないため、非課税の不動産(典型は公衆用道路)はのっていません。もし被相続人の不動産の前に私道部分がある場合、公図も取り寄せて、その私道についての登記簿謄本も取得するようにしてください。

 農家の場合、不動産の数が多数に及ぶ場合があります。漏れがないように名寄帳を取得して調べる必要があります。納屋や倉庫といった建物が未登記のままになっていることがあります。未登記であっても、遺産に含まれますので、注意が必要です。

 

【コラム】相続発生後の賃料・小作料

 遺産は相続発生時に被相続人(亡くなった方)が所有していた一切の財産であるので、相続発生後に遺産に含まれる不動産(農地や賃貸物件など)から生じた果実(賃料、小作料)は、遺産の範囲に含まれません。

 もちろん、遺産分割により農地を取得する相続人が決まれば、分割後の果実はその相続人に帰属します。その一方で、相続発生後から遺産分割までの賃料債権については、法定相続分に従って当然に分割され、各相続人が取得するものとされています。

相続方法の決定(相続財産はすべて相続しなければいけないの?)

【質問】

先日亡くなった親父は商売をやっていて、かなりの負債もあるようだ。

相続財産は、すべて相続するしかないのですか?

【回答ポイント】

①相続方法には、単純承認・相続放棄・限定承認があります。

単純承認とは、すべての相続財産と債務を無条件・無制限に引き継ぐ方法をいいます。

相続放棄とは、相続人が被相続人の財産や借金を「引き継がない」と申請することをいいます。

限定承認とは、相続財産全体ではマイナスの財産の方が多いが、どうしても相続したいプラスの財産がある場合に行われる相続方法です。

【解説】

 相続方法の決定は、相続するのか、しないのかを決めることです。

 財産調査をもとにプラスの財産とマイナスの財産を確認して、相続開始(被相続人が亡くなったと同時に相続は開始されます)から3ヶ月以内に相続方法の決定を行う必要があります。この期限を過ぎますと、単純承認をしたことになります。

 

 単純承認とは、すべての相続財産と債務を無条件・無制限に引き継ぐ方法をいいます。

 相続開始を知った日から、3ヶ月以内の熟慮期間に限定承認または相続放棄の手続きしなかったときは、自動的に単純承認をしたことになります。

 自動的に単純承認をしたことになるケースとしては、

 ・相続人が相続財産の全部または一部を処分した

 ・相続人が相続開始を知った日から3ヶ月以内に限定承認または放棄をしなかった

 ・相続財産の全部または一部を隠匿し、私的にこれらを消費した。または故意にでこれらを財産目録に記載しなかった(相続人が限定承認または放棄をした後でも適用されます)

 このようなことがあった場合、たとえ本人に相続する意思がなくても単純承認をしたことになります。

 

 相続放棄とは、「財産を継ぐ」ということには良いことばかりではなく時には不都合になることがあるので、それを「引き継がない」と裁判所に申請することです。

 たとえば被相続人が多大な借金を残してしまった場合。相続の結果、その借金を受け継ぐことにってしまうこともあります。

 しかし、相続人が被相続人の財産や借金を「引き継がない」と申請することができます。これを「相続放棄」といいます。

 家庭裁判所に相続放棄をする旨を申請することで出来ます。

 

 限定承認は、相続財産全体ではマイナスの財産の方が多いが、どうしても相続したいプラスの財産がある場合に行われる相続方法です。
 具体的には、「相続財産にプラスの財産とマイナスの財産があり、プラスの財産の限度においてマイナスの財産も相続し、それ以上のマイナスの財産を相続しない」ということになります。
 個人商店などの事業を営んでいた方の相続など、プラスの財産とマイナスの財産が複雑に入り組んでどちらが多いかわからない場合などにも適した方法です。

 

 ただし、限定承認をするには、いくつかの条件があります。
 ひとつは、相続人が相続開始を知った日から3ヶ月以内に、家庭裁判所に限定承認の申立をしなければならないことがあります。もし3ヶ月を超えてしまった場合、自動的に単純承認をしたことになります。単純承認をすると、基本的にプラス・マイナス両方の財産をすべて相続することになります。
 また複数の相続人がいる場合は、相続人全員が一致して限定承認を行わなければなりません。

 なお、相続開始を知った日から3ヶ月経ってしまっても、条件によっては相続放棄できる場合があります。

 

【アドバイス】負債がある場合

 被相続人(亡くなった方)に負債がある場合は、相続するか否かを慎重に検討しなければなりません。農家の場合、事業資金を金融機関から借り入れする場合があり、その借入れが多額に上ることもあります。

 

 被相続人の負債について、手持ちの資料等の手掛かりがない場合には、信用情報開示制度を利用し、取得することが考えられます。信用情報機関としては、株式会社日本信用情報機構(JICC)、株式会社シー・アイ・シー(CIC)、全国銀行個人信用情報センター(全銀協)の3つが挙げられます。金融機関からの借入れであれば、ほぼ上記3機関の何れかに信用情報が登録されています。

 逆に、個人や金融機関でない企業からの借入れの場合には、信用情報がないことが通常です。

 その結果、資産よりも負債が上回ていることが判明した場合、相続放棄を検討すべきです。

 また、農業後継者である相続人に遺産を集中させたい場合に、他の相続人が相続放棄を行うことも考えられます。この場合、相続放棄は家庭裁判所での手続きが必要で、大変なので、遺産分割協議書の中で、「相続の辞退をする」と書くことで済む、辞退の方がいいと思います。

相続関係説明図と法定相続情報一覧図(相続手続きにおいて、書類が多すぎない?)

【質問】

相続手続きにおいて、戸籍謄本等の書類を銀行や法務局等で何度も出し直すことが負担になっています。そのたびにチェックを受けて、時間もかかります。

また、○○が足りないといわれることも多いのですが、1枚でそれを証明する書類はないのでしょうか?

【回答ポイント】

 何枚もの戸籍を1枚で法務局が証明したものが法定相続情報証明制度です。

 法定相続情報一覧図に登記官が確認したものを各相続手続きで使います。

 銀行や証券会社、法務局において、1枚提出で時間もかかりません。

 

 相続関係説明図とは、相続登記をする際に法務局に提出する添付書類の一つで、被相続人と相続人の関係を図にしたもので、どのような関係にあるかを一覧で確認することができます。

【解説】

 相続手続きにおいて使う書類は、被相続人の生まれてから死ぬまでの戸籍謄本と除籍謄本、そして住民票の除票(本籍地の記載があるもの)が必要です。

 相続人については、全員の戸籍謄本又は抄本を準備しなければなりません。

 

 全部そろえると多量の束となります。

 この束を各相続手続きにおいて提出しなければならず、これを先方で確認することになります。この確認作業は、どこでも同じことを繰り返すのです。

遺留分(父の遺言書に書かれた相続割合に不満がある(争うつもりはない))

【質問】

 父の遺言書に、長男に全ての財産を相続させると書いていました。

 全ての財産といっても、一軒の自宅不動産とわずかばかりの預貯金です。

 それでも、私の生活は苦しく、父の財産を分けてほしいのですが、それは無理でしょうか?

【回答ポイント】

 遺言書は亡くなった方の強力な意思のメッセージです。

 しかし、残された遺族の生活保護も守らなければなりません。それで遺留分です。

 例え遺言書に書かれていなくても、最低限相続できる割合のことです。

【解説】

 被相続人(財産を残す人)が遺言書を書いていて、そこに特定の人に財産のすべてを残すと書いていた場合、被相続人の書いていることは尊重しなければなりませんが、他の法定相続人(相続をする権利がある人)にも相続を受ける権利があります。

 

 そこで遺留分です。遺留分とは、法定相続人(兄弟姉妹以外)に認められた最低限の遺産取得分のことで、遺言よりも優先されます。

 民法は、被相続人と密接な関係のある人を法定相続人と定めて遺産相続をさせることにより、なるべく被相続人に近かった人が遺産を引き継げるように配慮していますが、反面、被相続人自身の意思も尊重しなければならないので、遺言や贈与によって財産を処分する自由も認めています。

 しかし、完全な自由が認められてしまったら、相続人の期待があまりに裏切られてしまうので、法律は、一定の範囲の近しい相続人に遺留分を認めたのです。

 

 例えば、「すべての財産を○○に贈与する」という遺言があっても、配偶者及びご子息はある割合の遺産をもらう権利を持っています。

 法定相続人が遺留分減殺請求をすれば法定相続分の1/2を請求することができるのです(法定相続人が父母だけの場合は1/3)。これが遺留分です。ただし、遺留分は請求しなければ認められません。当然にもらえるものだと思っていても、請求しなければなにも起こりません。しかし、難しいことをする必要はなく、相手方に「請求」をすればいいのです。証拠を残すために「内容証明郵便」を使って請求しましょう。

 その遺留分の割合は、「直系尊属(実の父母)のみが法定相続人になる場合には、3分の1、それ以外の場合は2分の1」(民法1028条)と決められています。

 つまり、配偶者は1/2×1/2=1/4、子供が2人いる場合は、それぞれ1/4×1/2=1/8を請求することができるのです。

 この一定の範囲の法定相続人ですが、配偶者と直系の子や親のことを言い、第3順位の兄弟姉妹は入っていません。

 

 遺留分を請求された者は、遺贈や贈与を受けた者に対し、遺留分侵害額に相当する金銭の請求をすることが出来るようになります。しかし、遺贈や贈与を受けた者が金銭を直ちに準備することが出来るとは限りません。その場合、裁判所に対し、支払期限の猶予を求めることが出来ます。

 これは、不動産だけをもらった人が、遺留分を請求されても金銭をもらっていないので、自分自身に金銭の余裕がなければ払うことができません。今後も金銭の余裕が生まれてこなければ、結局その不動産を売らざるを得ないかもしれません。そのために、裁判所に支払期限の猶予を求めるのです。

 

 この遺留分侵害額請求権は、「相続開始と遺留分侵害の事実」を知ってから「1年以内」に遺留分を請求する必要があります。

 「納得できない」等不満があるのであれば、この1年以内に話し合いを持ちましょう。

法定相続人 法定相続分 遺留分
1/2 1/4
1/2 1/4
     
2/3 2/6
父母 1/3 1/6
     
3/4 1/2
兄弟姉妹 1/4 なし
     
全部 1/2
     
全部 1/2
     
父母 全部 1/3
     
兄弟姉妹 全部 なし

 

遺留分制度の改正(2019年7月1日施行)

 遺留分を請求された者は、遺贈や贈与を受けた者に対し、遺留分侵害額に相当する金銭の請求をすることが出来るようになります。しかし、遺贈や贈与を受けた者が金銭を直ちに準備することが出来るとは限りません。その場合、裁判所に対し、支払期限の猶予を求めることが出来ます。

遺産分割協議(遺言書なく亡くなったら?)

【質問】

先日、家族が亡くなったのですが、財産はどうやって分けたらいいのでしょうか?

遺言書はありませんでした。

【回答ポイント】

①亡くなった方が「遺言書」を書いていない場合、相続財産を分けるには、遺産分割協議というものを開く必要があります。

②遺産分割協議は相続人全員での協議によって決めることが前提です。

③遺産分割には、現物分割、代償分割、換価分割、共有分割という4つの方法があります。

④相続人に未成年者がいる場合、不在者がいる場合、認知症等判断能力がない人がいる場合には注意が必要です。

【解説】

 財産調査に基づいて財産目録を作成したら、遺産分割協議を行います。遺産分割(財産の分け方)は、相続人全員での協議によって決めることが前提です。

 相続が開始されると(被相続人が亡くなると)、すべての相続財産は相続人全員の共有となり、共有の相続財産を分けていく手続きが遺産分割です。

 

 遺産分割には、①現物分割、②代償分割、③換価分割、④共有分割という4つの方法があります。

 ①の現物分割とは、相続人どうしで相続する金額や割合などを定めて、遺産そのものを分割する方法です。

 主な遺産が持ち家だけという場合は簡単に分けることが出来ません。

 そこで、相続分に応じて持ち家を相続人の共有にすることがあります。しかし、共有となると建替えや売却を検討するときにも、共有者全員の同意が必要となります。この、共有分は他人に譲渡できるし、債権者が差し押えをすることもできるので、トラブルのもとになりかねません。

 ②の代償分割とは、相続人の1人が遺産を取得して、その代償として他の相続人に金銭などを支払う方法です。

 遺産を現物分割できないような場合、この方法が使われたりします。

 ③の換価分割とは、相続した遺産を金銭に変えて(換価)、その金銭を分割する方法です。代償分割するための資金がない場合、持ち家を誰も相続したくない場合、納税のための資金を現金で確保したい場合などに検討されています。

 ただし、持ち家を売却するための手間と費用がかかり、売却益があれば譲渡所得税と住民税の課税対象になる点には注意が必要です。

 ④の共有分割とは、遺産を特定の相続人に単独で取得させず、相続人間の共有とする方法です。

 例えば、被相続人が耕作していた農地を、相続人が共同で耕作するような場合や賃貸物件があり、その物件を売らずに家賃を将来にわたって得たい場合です。

 

【コラム】換価分割

 日本のお金持ちが住んでいることで有名な田園調布ですが、むかしはもっと大きな区画で住んでいたようです。その後世代が代わることで、相続税を払いきれなくて、換価分割がすすみ、その大きな土地を小さく分けて販売し、今のように小さい(それでも十分大きいのですが)住宅地になっています。

 大きな敷地の住宅地でも起きている、1軒の敷地を2つに分けることは、結局どこでも起きていますが、それは不動産業者の問題でしょう。

相続税の基礎控除(相続したらみんな相続税を払うの?)

【質問】

先日父の財産を相続したのですが、相続税を払わなければならないのですか?

【回答のポイント】

 相続税の申告は、相続により取得した財産の課税価格の合計額が基礎控除額を超える場合において、納付すべき税額がある場合に、当該相続により財産を取得した人及び相続時精算課税適用者が申告する必要があります。

【解説】

◆相続税を支払う者

 相続税は「相続」、「遺贈」、「死因贈与」により被相続人の遺産を取得した者が支払うことになります。

 ただし、すべての相続について相続税が課税されるものではなく、相続財産の課税価格の合計額が基礎控除額を超えない場合には相続税は発生しません。

 

◆相続税の申告が必要な者

 相続税は「相続」、「遺贈」、「死因贈与」により被相続人の財産を取得した者で、納付すべき相続税額があるものについては、相続税の申告が必要になります。

 ただし、「小規模宅地等の特例」の適用を受けることによって課税価格の合計額が相続財産に係る基礎控除額以下になる場合や「配偶者の税額軽減」の特例の適用を受けた上で納付税額が0円になる場合は、相続税はかかりませんが、相続税申告書の提出は必要になりますので注意が必要です。

 

 相続税は、相続した財産全てにかかるものではなく、不動産や預貯金などの資産から債務や葬式費用等を差し引いた財産に対してかかります。実際の税額の計算は、そこから更に一定の金額を差し引いて、残った金額に税率を乗じて計算します。

 基礎控除とは、その差し引かれる一定の金額のことで、相続した財産の規模に関わらず3,000万円がまず差し引かれ、そこから相続人1人につきプラス600万円が差し引かれます。

基礎控除額=3000万円+600万円×法定相続人の数

この金額以内であれば、課税されません。

 相続人の数と基礎控除額を早見表にしてみました。

 

    相続人の数 基礎控除額
3000万円+ 600万円× 1 3600万円
3000万円+ 600万円× 2 4200万円
3000万円+

600万円×

3 4800万円
3000万円+

600万円×

4 5400万円
3000万円+

600万円×

5 6000万円

 

生命保険の非課税枠(生命保険は相続と関係があるの?)

【質問】

生命保険は相続と関係があるのでしょうか?

【回答ポイント】

 生命保険の受取人を誰にするかは加入の目的によって異なりますが、契約者・被保険者・受取人の関係によって保険金の課税の取扱いも変わってきます。

【解説】

◆受取人によって変わる課税の取扱い

 受取人が誰であるかで課税の取扱いが変わります。

 

  契約者 被保険者 受取人 課税
夫(被相続人) 夫(被相続人) 妻又は子 相続税
夫(被相続人) 所得税(一時所得)
夫(被相続人) 贈与税

 

 ①の場合、生命保険の非課税枠があります。

 

生命保険の非課税枠=500万円×法定相続人の数

 

 この枠内であれば、相続財産に加えられません。

 ※ただし、保険料負担者≠被保険者で、死亡保険受取人が相続人だった場合であって、保険負担者≠亡くなった方の場合は非課税枠は使えません。

 例をあげると、夫婦2人が保険に入っていて互いに相手の受取人なっていた場合で、旦那さんが奥さんの保険料を払っていて、その奥さんが亡くなった場合、非課税枠は使えません。これは旦那さんの一時所得になります。また、保険受取人が別の方であれば、旦那さんからその方への贈与になります。

 

ご自分で相続登記をされる方へ(相続登記申請書の書き方)

【質問】

「相続登記は自分でもできるよ」といわれていますが、本当でしょうか?

【回答ポイント】

 相続登記は、遺産分割協議書または遺言書と法定相続情報一覧図(登記官が確認した認証文付き)及び不動産番号があればできます。

【解説】

 ここでは、積極的に、自分で相続登記をしようと考えている方に向けて、その書き方を表示しています。

 国土交通省がまとめている「土地白書」の平成30年版によると、登記簿に記載されている土地のうち「所有者不明土地」は約20.1%にのぼりました。

 このような所有者不明土地の問題により、公共事業用地の取得に長期間を要したり、空き家の放置、遊休農地の発生、農地集約化の妨げ、森林の適正な管理ができないなど、様々な社会問題が生じています。

 それで、法を改正して、相続登記の義務化に動いています。

 なぜこのようなことが起こるかというと、今現在、相続登記が義務化されていないのと、相続登記をしなくても、当面何の問題も起こらないからです。ただ、問題が起きた時は、大変なことになるのですが。

 

 相続登記は以下のように書いて申請いたします。

 書く内容は、行政書士に書いてもらった遺産分割協議書の不動産のところを、そのまま書き写せばよいですし、不動産番号を記載すれば、それから後は省略できます。不動産番号は行政書士が調べており、遺産分割協議書に記入されています。なんと簡単な申請書です。

 

 

      登 記 申 請 書

登記の目的  所有権移転

原   因  令和2年12月1日相続 (注1)

相 続 人    (被相続人 法 務 太 郎)(注2)
         ○○郡○○町○○34番地
       (住民票コード12345678901)(注3)
    (申請人)  持分2分の1    法 務 一 郎 印(注4)
              ○○市○○町三丁目45番6号
    (申請人)  持分2分の1  法 務 温 子 印
                連絡先の電話番号00-0000-0000(注5)
添付情報
   登記原因証明情報(注6)住所証明情報(注7)

□登記識別情報の通知を希望しません。(注8)

令和3年2月1日申請 ○○ 法 務 局(又は地方法務局)○○支局(又は出張所)

課税価格 金2,000万円(注9)

登録免許税 金80,000円(注10)

不動産の表示(注11)
  不動産番号    1234567890123(注12)
 所   在  
    地   番    
 地   目   
 地   積   
  
 不動産番号    0987654321012
 所   在 
 家屋番号  
 種   類  
 構   造  
 床  面  積  
                  

 

※全部に目を通す必要はありません。

 必要なところだけ読めばいいです。

<記載における注意事項等>【全様式共通の注意事項はこちら】

 

(注1) 遺言書が書かれた日ではなく,被相続人(死亡した方)が死亡した日(戸籍上の死亡日)を記載します。
(注2) 被相続人(死亡した方)の氏名を記載します。
(注3) 住民票コード(住民基本台帳法第7条第13号に規定されているもの)を記載した場合,添付情報として住所証明情報(住民票の写し)の提出を省略することができます。
(注4) 相続する持分,相続人の住所及び氏名を記載し,申請人(相続人の1人が申請することもできますが,その場合,申請人にならない方には登記識別情報が通知されません。)が末尾に押印します(認印で結構です。)。相続人の住所及び氏名は,住民票の写しに記載されているとおりに正確に記載してください。持分は,遺言書に記載されている持分と一致している必要があります。
(注5) 申請書の記載内容等に補正すべき点がある場合に,登記所の担当者から連絡するための連絡先の電話番号(平日日中に連絡を受けることができるもの。携帯電話の番号を含む。)を記載します。
(注6) 登記原因証明情報として,遺言書及び被相続人が死亡した事実が分かる被相続人の戸籍全部事項証明書(戸籍謄本)又は除籍全部事項証明書(除籍謄本)並びに相続人であることが分かる相続人の戸籍全部(個人)事項証明書(戸籍謄抄本)を添付します(被相続人が死亡した日以後の証明日のものが必要です。)。被相続人の死亡の記載がある戸籍全部事項証明書(戸籍謄本)等と重複するものがある場合には,重ねて提出する必要はありません。
 全部事項証明書(戸籍謄本)等の集め方が分からない場合には,本籍地又は最寄りの市区町村役場にお問い合わせください。
また,被相続人の最後の氏名及び住所が登記記録上の氏名及び住所と異なる場合や被相続人の本籍が登記記録上の住所と異なる場合には,被相続人が登記記録上の登記名義人であることが分かる被相続人の本籍の記載のある住民票の除票又は戸籍の附票の写し等が必要となります。
 「相続関係説明図」を提出された場合には,戸籍全部事項証明書(戸籍謄本)等の原本をお返しすることができます(注15参照。)。遺言書については,別にその謄本を提出する必要があります。
(注7)  申請に係る不動産を相続することになった相続人全員の住民票の写しです。住民票コードを記載した場合(注3)は,提出する必要はありません。
 なお,住民票の写しは,マイナンバー(個人番号)が記載されていないものを提出してください。
(注8) 登記識別情報の通知を希望しない場合には,□にチェックをします。
(注9) 課税価格,登録免許税の計算方法は,「登録免許税の計算(http://houmukyoku.moj.go.jp/homu/content/001188808.pdf)」を参照してください。
なお,登録免許税が免除される場合には,課税価格の記載は不要です。
 (注10) 登録免許税額を記載します。登録免許税が免除される場合には,登録免許税額の記載に代えて免除の根拠となる法令の条項を記載します。また,登録免許税が軽減される場合には,登録免許税額の記載に加えて軽減の根拠となる法令の条項を記載します(免除又は軽減について証明書の提供が必要な場合は,申請書と共に証明書を提出する必要があります。)。
 なお,登録免許税を現金納付する場合はその領収書を貼り付けた用紙を,収入印紙で納付する場合には収入印紙(割印や消印はしないでください。)を貼り付けた用紙を,申請書と一括してつづり,申請人又はその代理人がつづり目に必ず契印をしてください(注13)参照。なお,申請人が2人以上いる場合は,そのうちの1人が契印することで差し支えありません。)。
(注11) 登記の申請をする不動産を,登記記録(登記事項証明書)に記録されているとおりに正確に記載してください。
 (注12) 不動産番号を記載した場合は,土地の所在,地番,地目及び地積(建物の所在,家屋番号,種類,構造及び床面積)の記載を省略することができます。
(注13) 申請書が複数枚にわたる場合は,申請人又はその代理人は,各用紙のつづり目に必ず契印をしてください(申請人が2人以上いる場合は,そのうちの1人が契印することで差し支えありません。)。
(注14) 「相続関係説明図」が提出された場合には,申請書に添付した登記原因証明情報として提出された戸籍全部(個人)事項証明書(戸籍謄抄本),除籍事項証明書(除籍謄本)を,登記の調査が終了した後にお返しすることができます(これを原本還付の手続といいます。)。
(注15) 代理人に登記の申請を委任する場合の委任状の様式は,4ページのとおりです(この場合,申請書に代理人についての記載等が必要です。)。
(注16)委任者の印は,認印で結構です。

*お知らせ
  相続登記をしないままにしておくと,相続人に更に相続が発生するなどして,登記の手続をするのに必要な関係者が増え,手続が複雑になる場合もあります。相続登記は,できる限り早く済ませましょう。

【コラム】所有者不明土地の問題で、相続登記を義務化

改正民法成立 違反に過料

 所有者不明土地の解決に向けた民法や不動産登記法の改正法などが、令和3年4月21日、参院本会議で可決、成立しました。

 3年以内の相続登記を義務化し、怠れば過料を科すというものです。一定の要件を満たせば相続した土地の所有権を手放せる制度も新設します。

 都市部への人口流出に伴い、親の死後に子らが相続登記をしない土地が増えており、2016年時点で九州の面積を上回る土地が所有者不明との推測もあります。

 対策を講じるため、政府は法整備を順次進めており、今回の改正は最大の柱となります。施行日は多くの規定が公布後2年以内で、相続登記義務化は3年以内に政令で定めるものです。

 改正法では①相続不動産の取得を知ってから3年以内の所有権移転登記、②引っ越しなどで名義人の住所や氏名が変わってから2年以内の変更登記を義務化します。正当な理由がないのにそれを怠れば、それぞれ①10万円以下と②5万円以下の過料を科すというものです。

 一方で登記手続きを簡略化することも考えており、法務局に自分が相続人の一人であることを戸籍などで示して申告すれば、登記義務を果たしたとみなすとのこと。

 また、法務局が住民基本台帳ネットワーク(住基ネット)に照会して名義人に住所変更などを把握できるシステムを作るとのことです。

 

改正民法などのポイント

・土地の相続登記を義務化。3年以内に登記をしなければ10万円以下の過料を科す。

・法務局に自分が相続人であると、戸籍などを示して申告すれば、登記義務を果たしたとみなす。

・相続した土地の所有権を一定要件で手放せる制度を新設する。

・住民基本台帳ネットワークに照会し、土地の名義人情報を把握できるようにする。

・遺産分割の期限を10年とし、経過後は法定相続割合に従う。

相続法改正による変更点(何が変わったの?)

【質問】

民法(相続税)改正によりいくつか変更があったと聞きますが、何がどう変わったのですか?

【回答ポイント】

変更点は以下の通りです。

❶配偶者の居住権を保護するための方策

❷遺産分割に関する見直し

❸遺言制度に関する見直し

❹遺言執行者の権限・責務の明確化

❺遺留分制度に関する見直し

❻相続の効力等に関する見直し

❼相続人以外の者の貢献を考慮するための方策

【解説】

 平成の終わりになって、相続法が大きく変わりました。昭和55年の改正以来、およそ40年ぶりの大改正です。

 この改正に大きく影響したのが、平成25年9月4日の最高裁大法廷の判断です。

 嫡出でない子の相続分に関する規定(平成25年12月 改正前の民法900条4号ただし書によれば、嫡出でない子の相続分は、嫡出である子の相続分の2分の1)について、最高裁は違憲であるとの判断を下しました。

 この判断を受けて、平成25年12月に、旧900条第4号の規定が改正されました。

 この時の国会審議等において、相続法の見直しの必要性についての問題提起がなされ、この度の相続法改正につながりました。

 

改正分野は次の7つ

❶配偶者の居住権を保護するための方策

 ・配偶者居住権の新設

 ・配偶者短期居住権の新設

❷遺産分割に関する見直し

 ・特別受益の持ち戻し免除の意思表示

 ・仮払い制度等の創設・要件明確化

 ・遺産の分割前に遺産を処分した場合の遺産の範囲

❸遺言制度に関する見直し

 ・自筆証書遺言の方式緩和

 ・法務局における自筆証書遺言の保管制度の創設

❹遺言執行者の権限・責務の明確化

❺遺留分制度に関する見直し

 ・遺留分侵害額請求権の金銭債権化

 ・遺留分侵害額の計算方法の明確化

❻相続の効力等に関する見直し

 ・法定相続分を超える権利取得の対抗要件

 ・相続分が指定された場合の相続債権者の立場の明確化

❼相続人以外の者の貢献を考慮するための方策

 ・相続人以外の被相続人の親族を保護する規定の新設

 

【コラム】配偶者居住権(2020年4月1日施行)

 配偶者が相続開始時に被相続人所有の建物に居住していた場合に、配偶者は、遺産分割において配偶者居住権を取得することにより、終身又は一定期間、その建物に無償で居住することが出来ます。また、被相続人が遺贈等によって配偶者に配偶者居住権を取得させることもできます。

 

 例を挙げて説明すると、被相続人が2000万円の自宅と現金3000万円をもっていたとします。相続人はその配偶者と息子の二人です。

 その配偶者は、配偶者居住権(1000万円)と預貯金1500万円をその子は負担付き所有権(1000万円)と預貯金1500万円を相続することになります。

 配偶者は自宅での居住を継続しながらその他の財産も相続できるようになります。

 今までは、配偶者が自宅を相続しようとすると、2000万円の自宅と500万円の預貯金を相続せざるを得ませんでした。

 

【コラム】婚姻期間が20年以上の夫婦間における居住用不動産の贈与等に関する優遇措置(2019年7月1日施行)

 婚姻期間が20年以上である夫婦間で居住用不動産(居住用建物又はその敷地)の遺贈又は贈与がされた場合については、原則として、遺産分割における配偶者の取り分が増えることになります。

 このような規定を設けることにより、配偶者は、より多くの財産を取得することが出来る。

 例で説明すると、相続人が配偶者と子2人。遺産が居住用不動産2000万円、その他の財産6000万円。配偶者に対する贈与 居住用不動産2000万円。

 居住用不動産は、生前贈与分について相続財産とみなす必要がなくなる結果、配偶者の遺産分割における取得額は、8000万円×1/2=4000万円、となり、最終的な取得額は、4000万円+2000万円=6000万円となり、贈与がなかったとした場合に行う遺産分割より多くの財産を最終的に取得できることになる。

 

【コラム】預貯金の払戻し制度(2019年7月1日施行)

 預貯金が遺産分割の対象となる場合に、各相続人は、遺産分割が終わる前でも、一定の範囲で預貯金の払戻しを受けることが出来るようになります。

 遺産分割における公平性を図りつつ、相続人の資金需要に対応できるよう、以下の2つの制度を設けました。

 ①預貯金債権の一定割合(金額による上限あり)については、家庭裁判所の判断を経なくても金融機関の窓口における支払いを受けることが出来る。

 相続開始時の預貯金債権の額(口座基準)×1/3×(当該払戻しを行う共同相続人の法定相続分)=単独で払い戻しをすることが出来る額

 ※ただし、1つの金融機関から払い戻しが受けられるのは150万円まで。

 ②預貯金債権に限り、仮払いの必要性があると認められる場合には、他の共同相続人の利益を害しない限り、家庭裁判所の判断で仮払いが認められるようになった。

 

【コラム】特別の寄与の制度(2019年7月1日施行)

 相続人以外の被相続人の親族が無償で被相続人の療養看護等を行った場には、相続人に対して金銭の請求をすることが出来る。

 これは逆を言うと、請求しないと貰えないということである。

 例えば、先に亡くなった長男の妻が、その長男の父の療養看護等を行っていたとして、相続開始後、長男の妻は、相続人に対して、金銭の請求をすることが出来る、というものである。しかし、長男の妻が、果たしてその請求を出来るかどうか疑問である。

特別の寄与の制度

不動産登記は?(不動産手続きが終わっていない)

【質問】

 相続の手続きで、銀行の手続きは終わったのですが、特に困っていないので、不動産に関して、相続登記は行っていません。どうしたらよいでしょうか?

【回答ポイント】

 相続の手続きは、不動産の相続登記と、銀行等の名義書き換え手続きです。

 不動産を持っていないのであれば、銀行等の名義書き換え手続きだけです。

​ 今は相続登記について、それを行わなかったとしてもペナルティはなく、多くの方がそれを行っていません。 

【解説】

 銀行・郵便局で相続の手続きを行っている方の大半は遺言書や遺産分割協議書なくして行っています。

 先日ある銀行で聞いた話ですが、相続の手続きで来られるお客様の大半は、被相続人と相続人の関係が始まるまでの戸籍を取り寄せて、定期預金や普通預金を下ろしているとのことでした。つまり、その時点では、遺産分割協議書は依頼していない状態です。遺産の大きな部分の現金が引き出せる、もしくは解約できるのであれば、ひとまず安心していることでしょう。

 しかし、それでは不動産の名義変更はできません。

 不動産の名義変更は、法定相続人が誰であるかを確定しなくではなりません。

 それに必要な書類は、

 ❶被相続人(亡くなられた方)の戸籍謄本

 ❷被相続人(亡くなられた方)の住民票の除票(本籍地記載があるもの)

 ❸相続人全員の戸籍謄抄本

 ❹申出人(相続人の代表となって、手続きを進める方)の氏名・住所を確認することができる公的書類(運転免許証のコピー、マイナンバーカードの表面のコピー、住民票の写し)

です。

 銀行とは比べ物にならないほどの書類が必要です。

 それで、その先をつい忘れてしまい、結局何年のそのままにしている方が多いということです。

 国の方も、そう言った相続登記をすることなくそのままにしている方が多く、空き家問題もあり、相続登記の義務化が2024年施行で決まりました。

 今は、義務化されていないので、相続人の方々も困っていないので、そのままにしていますが、もし、相続人の方の一人でも認知症等で判断能力がなくなった場合、売ることができません。もし売るのなら、法定後見人を付けなければなりません。これはかなりの金銭的負担となるでしょう。

 

 弊所では、不動産のみの相続手続きを税込み11万円で行っています。

 今まで不動産の相続手続きを行ってかなかった方は、ぜひご利用ください。

相続手続きで 『相続と終活の相談室 オフィスなかいえ』が選ばれる理由

①親切・丁寧・相談無料

 相続と終活を専門とした行政書士が、お客様の不安を受け止め、対応いたします。

②署名押印のご用意だけで

 基本的にご用意していただくのは、これだけで大丈夫です。

 あとは、面談の席で聞いていきます。

③相続財産の名義変更をサポートいたします

 預貯金の解約、相続財産の分配、不動産の名義変更※をすべてサポートいたします。※弊所提携の司法書士が担当いたします

下記Ⅰ~Ⅶで、ひとつでもあてはまれば、行政書士『相続と終活の相談室 オフィスなかいえ』へ連絡ください!

Ⅰ.何をすればよいのかわからない

 「相続」とは、ある人が死亡したときにその人の財産(すべての権利や義務)を、特定の人が引き継ぐことをいいます。簡単にいうと、亡くなった人の財産を配偶者や子どもといった関係者がもらうことです。

 相続では、この亡くなった人を「被相続人」、財産をもらう人を「相続人」といいます。

 ここで気を付けていただきたいのは、その財産には権利だけではなく、義務も入っているということです。つまり、負債も入っていることです。

 

 家族の誰かが亡くなって、その方が持っていた財産を配偶者やお子さんが引き継ぐ等になったとき、そういう辛い状況の時に、何をすればいいかを理解することは難しいでしょう。

 人が亡くなっている状況で、残されたご家族の方が行う行動は何でしょう。そんなときに、きちんと対処できるだけの知識と情報を持っているでしょうか?

 何年も前から準備するほど時間があればできるかもしれません。病院等へ入院して、半年ばかりで亡くなってしまったら、相続の手続きの準備をしているはずもありません。

 私たち『相続と終活の相談室 オフィスなかいえ』はお客様のそういった気持ちを受けとめて行動いたします。

 私たちと面談されているご家族の方は、不安をもって相談されているわけですから、そのお客様の不安を受け止め、対応しなければなりません。情報を持っているわけでもなく、頭の中が整理されている状態ではないことを理解しています。その時発言した内容が変わるかもしれません。それでもかまいません。

 家に帰って考えると、「いや違う」とさっき言ったことと違う内容に変わるかもしれません。

 わたしたちは、お客様がいろいろ考えて発言されているのだと理解しています。

Ⅱ.何をそろえればよいのだろう

 お客様が電話をかけてきて、最初に言われるのが、「何が必要ですか」という言葉です。お客様が来られて、契約をする場合み必要なものは、委任状です。その委任状を書くためのお客様の署名・押印と印鑑証明書が必要となってきます。印鑑証明書は後日でも結構です。

 財産内容がわかるものを要求する事務所もありますが、亡くなった方の財産内容を理解している方はごく稀です。ですから、それらは面談の中で聞いていきます。面談して、それを明らかにしていきます。出来るだけ揃えてくれれば助かりますが、必須ではありません。

 ご安心ください。

Ⅲ.相続財産に農地があり、困っている方

 相続財産に農地がある場合、一般の手続きに加え、農地法の届出が必要となります。

 相続人が農業を継がない場合、問題が発生します。何らかの手続きが発生することになります。

 そういった、ご心配やお困りがあるのであれば、弊所は行政書士事務所ですので、農地法の手続きを扱っています。

 

Ⅳ.争いの発生する前に、そして相続で家庭環境を壊さないように。

 相続財産が現金だけであれば問題は少ないのですが、今の日本の家庭の財産状況を見てみると、少しばかりの預貯金とマイホームということが考えられます。

 特にニュータウン地区に住まわれている方は、その傾向が高いと思われます。

 「それを等分といわれても、分けられないじゃない」という声が聞こえそうです。

 そういう場合、一般的には不動産を売って、そのお金を分けることになると思います。又は、誰かがその不動産を相続して、それ以外の相続人に代償金を払うということも考えられます。

 現にニュータウン地区であれば、そのようになるでしょう。親と一緒に住んでないのですから。

 

 現金だけであれば、遺産分割協議書はなくても、分けることはできます。

 しかし、定期預金や不動産は遺産分割協議書がなければおろすことも売ることもできません。

 

 遺言書があれば相続はそれに従って財産を分けることになります。

 遺言書なく相続が始まってしまったら(相続は被相続人が亡くなると同時に始まっています)、相続人全員の同意がなければ財産を分けることができません。

 この、「全員の同意」がポイントなのですが、一人でも反対の人がいると財産を分けることができません。

 では、反対の人がいるとどうなるでしょう。その場合、家庭裁判所の調停や審判となります。家庭裁判所の調停や審判は、いわば争いですので、こうなると骨肉の争いが始まり、家族関係は修復出来なくなる可能性があります。

 家庭裁判所に調停や審判を要求するのですから、その時はお互いに感情的になっているでしょう。

 相続は、相続人全員が満足するようにはできません。多くの人が不満を抱えつつ我慢しているのです。少しずつ譲り合う心を持たないで、それが不服だとして訴えられたら、感情が爆発してしまうでしょう。

 相続のトラブルで3/4が5000万円以下の相続といわれています。

 皆さんは、この数字を見て、どう思うかわかりませんが、テレビの影響でしょうか、相続のトラブルは金持ちの家庭で起こるものだという錯覚を皆さんお持ちですが、実際は財産の多少にかかわらず、トラブルは発生しています。

 どうしても当事者同士で冷静に話し合いが出来ない場合、弁護士に相談するのも一つの方法ですが、弁護士は全員の弁護はしません。依頼を受けた方の権利を守るために動きますので、誰かが弁護士を立てれば、別の人も弁護士を立てざるを得ません。そうすると、弁護士同士の話し合いとなり、時間がかかり、費用がかかります。そして、出た結果は、法定相続に近いもので、とんでもなく有利な結果を生むことはありません。

 

 このトラブルは、最初から期待せず動いていれば、そんなにもめなかったものが、変な期待と欲望をもって相続に臨むと家族間に修復のきかない溝ができてしまいます。ですから、早い段階で修正を行わなければなりません。

 

 私たちは、争いのないスムーズな相続のサポートを行っています。

 印西市で争いの発生する前に連絡ください。

Ⅴ.自分でやろうとしたけれど、日が経つだけで一向に進まない。おまけに会社は何日も休んでしまった!

 相続の手続きは、複雑で面倒です。

 そして、相続の手続きは時間がかかります。とにかく時間がかかるのです。

 相続税の申告は相続の開始した日の翌日から10か月以内となっています。放っておくと申告期限が来てしまいます。

 「自分で手続きをしようと思い、会社を何日か休んだけど、全く何もできなかった」という方もいると思います。そうこうするうちに、10か月がたってしまいます。10か月というのはすぐに来ます。この場合、法定相続をしたとして申告をし、後日修正申告をすることになります。この相続の手続きは私たち行政書士でも何日もかけ、チェックにチェックを重ねている手続きで、非常に神経を使う手続きなのです。

 では、何故時間がかかるかというと、行政の窓口である市区町村役場は、国の組織ではなく、それぞれ独自に動いている地方自治体の組織だからです。国の組織であれば、組織も請求書の書式も統一されていますが、地方自治体の組織は統一されたものがないため、組織も請求書の書式も異なっているのです。

 ところが一般の方にとって、それを理解せず取組むと、「なんだよ~。さっきの市と違うじゃないか」ということになり、その違いに苦しむのです。

 また、取り寄せたい書類が何なのかすらよくわからないこともあります。統一された書式がないためか、うまく説明した冊子のようなものがないからです。

 戸籍、改製原戸籍、除籍謄本及び抄本、附票等があり、何を収集すればいいのかがわかりません。また、これらは請求できる人が限定されています。

 『相続と終活の相談室 オフィスなかいえ』は、相続に関する書類の収集は請求する市区町村のHPを注意深く見て、わからない場合は電話をし、問い合わせをしてから送っています。そこまでしないと、何回も文書のいったり来たりを繰り返してしまいます。だから一般の方には難しいのです。

 

 地方自治体の違いを理解して取り組まないと、最初の段階でつまずくことでしょう。

 

 相続は一生のうち何度も経験するものではありません。

 経験が少ないから、例え2度目、3度目でも、「前回どうやったか覚えていない」ということになりるのです。

 

 相続の手続きを自分でやろうと思っていても、何から始めればよいのかわからない。市区町村役所に行って聞いても、言っていることがなかなか頭に入らない。

 だから、遺産分割協議書を作成してもらったが、最後に財産を分けようとして、銀行に行って、窓口で、

 遺言書はありますか?

 遺産分割協議書はありますか?

 相続人全員の実印を貰ってきてください。

等々、初めての方にとって、いらいらすることばかり言われた。

 またハンコが必要なの?等。

 アドバイスがないとそうなってしまうのです。

 

 でも、それはできなくて当然です。

 実際、私たち行政書士であっても、複雑で面倒な手続きなのですから。

 私たち『相続と終活の相談室 オフィスなかいえ』は遺産分割協議書を書いて終わりではありません。可能な限り相続財産の金融資産の解約や、分配までを行っています。

 

Ⅵ.仕事をしていて、事務所に来れない。財産分配等が出来ない

 相談に来られる方で、仕事をされている方も多いと思います。

 仕事をされていて、途中経過を直接聞けない、昼間は会社に電話をかけてほしくない、という方もいらっしゃいます。その場合、携帯メールに途中経過や、必要な内容を悪らせていただきます。PCメールは会社で見れない方もいらっしゃいますので、家に帰ってみるのですが、一週間ほど見ない方もいらっしゃいます。そうゆう状態では伝達に時間がかかることがあります。ですから、可能な限り、携帯メールやLINEで送らせていただいています。

 

 また、財産分割で銀行に行けない、相続登記に行けないという方も多いと思います。銀行や法務局は、平日しか開いていません。弊所では、預貯金の解約~移し替え、遺産の分配、不動産の名義変更を一括でサポートさせていただきます(※不動産の名義変更は弊所提携司法書士が担当いたします)ので、手続きに支障はありません。

 

 ご自分でやろうとして、銀行に行っても簡単には手続きはできません。何故なら、提出する書類が銀行ごとに違うからです。そうすると、一つの銀行で2度、3度と行かなければならないこともあります。それでも大変なのに、全員の実印を要求されたとしたら、大変な労力が必要になります。銀行それぞれのルールがあって、要求度合いが違うのです。

 弊所では、預貯金の解約~差し替え、遺産の分配、不動産の名義変更のサポートをしています。ここまサポートしている事務所はあまり聞いたことがありません。これをご利用ください。

Ⅶ.コロナが怖いので、非対面で手続きしたい

 弊所では新型コロナウィルス感染症に関する弊所の対応ということで、対策をとっています。しかし、「それでも不安」という方はいらっしゃいます。

 そこで、新型コロナウィルス感染症の広がりを受けて、弊所では非対面ビジネスモデルを提供しています。

①面接で人に会うのが怖いというお客様に、電話やZoomを使ってお話を聞くこともできます。

②契約書等は郵送にてやり取りすることが出来ます。

③途中経過等はLineやSMSでご報告をしています。e-mailは時間がかかってしまうので、なるべく携帯電話に報告できればと思っています。

④役所、銀行、証券会社、法務局等へ何度も足を運ぶのは避けたいというお客様には、『相続と終活の相談室 オフィスなかいえ』が預貯金の解約、相続財産の分配、不動産の名義変更のサポートを行っておりますので、お客様が手続きをするために外出する必要はありません。

上記Ⅰ~Ⅶに当てはまるものが1つでもあれば行政書士事務所『相続と終活の相談室 オフィスなかいえ』へ連絡ください

「個人情報」および「機密情報」の取り扱いに関する差入書

 当事務所では、お客様からお預かりした個人情報等を適切に扱い、他への流出がないことを差入書にてお客様にお渡しいたします。

 当事務所では、お客様から頂戴した個人情報ならびに機密情報に関し、下の通り慎重かつ厳格に取り扱う事をお約束します。

1.お客様からいただいた個人情報ならびに機密情報に関しては、お客様からのご相談内容に対して適切なご提案を行うこと、そしてお客様からご依頼をいただいた業務を遂行すること、お客様への情報提供以外の目的には一切使用致しません。

1.お客様からいただいた個人情報ならびに機密情報に関しては、お客様からあらかじめご了解をいただいた者以外の第三者には一切開示しません。

1.お客様からいただいた個人情報ならびに機密情報を利用して業務を遂行する際、お客様からあらかじめご了解をいただいた者以外への再委託は行いません。

1.お客様からいただいた個人情報ならびに機密情報に関しては、お客様とのお約束に基づく期間、当事務所にて厳重に保管します。

1.お客様からいただいた個人情報ならびに機密情報に関しては、当事務所にて定めた期限をもって一切を廃棄します。

しかし、当事務所にて作成をした契約書、申請書類などで、当事務所において保管し続けることにお客様のご同意をいただいたものは除きます。

新型コロナウィルス感染症に関する『相続と終活の相談室 オフィスなかいえ』の対応

みなさま

はじめに、新型コロナウィルス感染症に罹患された皆さま、および関係者の皆さま、また不安で辛い日々をすごされていらっしゃる全ての皆さまに心よりお見舞い申し上げます。

 

感染が収まらないなか、また、予防接種がすすまない中、新型コロナウィルス感染予防及び拡散防止のために、弊所では皆さまが安心して来所して頂けるよう、下記の感染予防対策を行っております。

 

・飛沫防止対策として、飛沫防止パーテンションを2台設置しています。

・入り口に自動手指消毒用アルコール消毒噴霧器を置いています。

・マスクだけでは不安のある方用に、フェイスマスクを準備しており、そのまま持ち帰っていただいています。

・マスクは充足されていますが、より安全性の高いN95マスクを準備していますので、お声掛けください。

・空気清浄機を1台を設置し、飛沫対策をしています。また、加湿器3台(次亜塩素酸水で加湿し部屋の壁、床、テーブル、椅子、ドアノブ等に噴霧しています)を設置し、部屋の消毒を行っています。

・お客様との書類のやり取りは、ポリエチレン使い捨て手袋で行っています。

・入り口は常に大きくドアを開いております。

・お客様が来所の時は、窓を少しだけ開けさせていただいています。

・弊所は飲食店ではないので、安全のため飲み物は、ペットボトルで提供しています。

(2021/6/22)

 

 これで万全だとは思っていませんが、少なくとも近くの病院の対策と比べて見劣りするものではありません。

 「安心してお越しください」とも言えませんが、できる限りの対策をしています。

相続 お役立ち情報

 相続は、被相続人が亡くなったときから始まります。

 相続人が行方不明でない限り、昔と違って被相続人の死は瞬時に伝わるでしょう。

 ですから、ご家族の方は、最短の日取りで葬儀等を決めてしまいます。

 また、まだ葬儀が終わっていないのに、相続の手続きに来られる方もいらっしゃるほどです。

 

 自宅でご家族が亡くなった場合、最初にやるべきことは「死亡診断書」を受け取ることです。
日本の法律では、主治医による「死亡診断書」または警察による「死体検案書」の交付がないと、火葬や納骨などの手続きが行えません。
 病院であれば臨終時に立ち会った医師に書いてもらえますが、自宅で死亡した際には医師に来てもらわなければならないため、その分手間がかかります。

 一般の場合、死亡診断書を発行できないので、死亡診断書と同じ内容の「死体検案書」を交付できる、警察署に連絡することになります。警察が来るとまず事件性が疑われて、遺族に対する事情聴取と現場検証が行われます。しかし、心配する必要はありません。監察医や検察官が検視をして特に事件性がないと判断されれば、すぐに死体検案書を発行してもらえます。

 自宅で亡くなったら、次の2点に注意が必要です。

〇あわてて救急車を呼ばない
 ご家族が自宅で亡くなった場合、どこに連絡すればいいのかわからなくて、つい救急車に連絡してしまうケースもあるかもしれません。蘇生する可能性があれば、病院へ搬送してもらうことも可能です。しかし、明らかに死亡している状態では、救急隊員は警察を呼んですぐに帰ってしまいます。なぜなら、基本的に救急車は遺体搬送をできないからです。救急車を呼んだら、警察が来ることになります。

〇遺体を動かさない
 警察が介入する場合は、亡くなった人の状態をそのままにしておく必要があります。例えば、お風呂場で裸の状態で亡くなっていたとしても、警察が来る前に服を着せてはいけません。身内であっても勝手に遺体を動かすと、警察から事情を聴取されることになります。死体検案書が作成されるまでは、触りたくなる気持ちをぐっとこらえましょう。

 

 葬儀社等を通せば、最低限の手続きはやってもらえますが、その時必要な行政窓口であるとか、相続に必要な窓口を記載しておきます。

 まず最初に必要なのは、市区町村役場の窓口での手続きです。

 被相続人の市区町村、相続人の市区町村の両方が必要になってきます。

 そして、被相続人が不動産を持っていたのなら、その市町村を管轄する法務局での手続きが必要になります。

 被相続人が預貯金を持っていたなら、銀行での手続きが必要になります。

 以上3つの手続きが必要になりますので、ご理解しておいてください。

 

【金融機関】※銀行の名義変更は各支店で行うところもあります。相続人のそばの支店で行うわけではない銀行もあるのです。相続人の負担の大きい手続きですし、多少の知識が必要です。

 ゆうちょ銀行はどちらの郵便局でも手続き出来ます。※簡易郵便局についてはできないところもあるのでお問い合わせください。

※簡易郵便局(かんいゆうびんきょく)とは、郵政民営化以前に郵便局の窓口事務を地方公共団体や組合、個人等に委託していた郵便局のことで、現在は日本郵便から委託された事業所を指します。

相続の専門家

 相続が発生したら、【相談無料】の 相続と終活の相談室 オフィスなかいえ へご相談ください。

 自分で解決しようとしても、複雑で面倒な相続の手続きは時間がかかります。

 時間がかかると、相続人同士で不信感が芽生えます。

 その不信感がトラブルに発展してしまいます。

 

 相続は早めに終わらせましょう。

 

【相談無料】

 弊所『相続と終活の相談室 オフィスなかいえ』は行政書士事務所です。当事務所は千葉県をはじめ茨城県を対象としてサービスを提供させていただいています。

 事務所に来れない方は、私の方からお伺いいたします。出張相談も可能ですので遠慮なくおっしゃってください。

お客様の悩みを解決するサポート

 あなたは何でお悩みですか?

 ただ、悩んでいても何も解決しません。悩みというのは誰かに相談・サポートを受けなければ解決しません。

 その悩みが相続の手続きのことなら、『相続と終活の相談室』に相談してください。相談は無料です。

 

・どんな手続きをすればいいのかわからない

・手続きに何が必要かわからない

・いろんな制度があるが、理解できない

 

 今あなたがそういう状態であるのなら、私たちに解決のサポートが出来ると思います。

 相続の手続きは、ほとんどの人は何をすればいいのか、手続きに何が必要かもかわからない、という状態です。

 私たちは、お客様のそうした気持ちを受け止め、まず不安を取り去ることから始め、親切丁寧にサポートしていきます。

 

 「不動産の手続きがまだ終わっていない」

 「何年も前に親が亡くなって、現金は分けたが、不動産はそのままにしていた」

 という方も多いと思います。

 手続きの方法がわからない。

 わからないので、そのままにしていた。

 

 そのままでは売ることはできません。登記を変更しなくては売れません。

 登記を変更するには、遺産分割協議書が必要です。私たち行政書士は、法務局で必要な遺産分割協議書と相続関係説明図または法定相続情報一覧図の作成を行っています。

 

不動産の手続きがまだ終わっていない方 ➤

相続のことなら、お気軽にお問い合わせください。

276-1350

千葉県印西市中央北1-3-3 CNCビル1階

相続と終活の相談室

運営:行政書士 オフィスなかいえ

 

お客様駐車場あり

電車:北総線 千葉ニュータウン中央駅 北口 イオン方面に直進~最初の交差点右折~次の交差点前左側のビル

JR成田線方面から

電車~ふれあいバス:JR成田線 木下駅北口 ふれあいバス(西ルート)

  7:59~  8:23 千葉ニュータウン中央駅北口(徒歩6分)

  9:17~  9:32 印西西消防署(徒歩1分)

10:35~10:59 千葉ニュータウン中央駅

11:53~12:08 印西西消防署

13:11~13:35 千葉ニュータウン中央駅北口

14:29~14:44 印西西消防署

15:54~16:11 千葉ニュータウン中央駅北口

17:05~17:20 印西西消防署

18:21~18:44 千葉ニュータウン中央駅北口

 

相続対応エリア

対応エリア:(千葉県全域)千葉市,銚子市,市川市,船橋市,小室町,館山市,木更津市,松戸市,野田市,茂原市,成田市,佐倉市,東金市,旭市,習志野市,柏市,勝浦市,市原市,流山市,八千代市,我孫子市,鴨川市,鎌ケ谷市,君津市,富津市,浦安市,四街道市,袖ケ浦市,八街市,印西市,白井市,富里市,南房総市,匝瑳市,香取市,山武市,いすみ市,大網白里市,酒々井町,栄町,神崎町,多古町,東庄町,九十九里町,芝山町,横芝光町,一宮町,睦沢町,長生村,白子町,長柄町,長南町,大多喜町,御宿町,鋸南町

行政上エリア:東葛飾地域/葛南地域/印旛地域/香取地域/海匝地域/山武地域/夷隅地域/安房地域

対応エリア:(茨城県全域)水戸市,日立市,土浦市,古川市,石岡市,結城市,龍ケ崎市,下妻市,常総市,常陸太田市,高萩市,北茨城市,笠間市,取手市,牛久市,つくば市,ひたちなか市,鹿嶋市,潮来市,守谷市,常陸大宮市,那珂市,筑西市,坂東市,稲敷市,かすみがうら市,桜川市,神栖市,行方市,鉾田市,つくばみらい市,小美玉市,茨城町,大洗町,城里町,東海村,大子町,美浦村,阿見町,河内町八千代町,五霞町,境町,利根町

行政上エリア:県北,県央,県西,県南,鹿行

対応エリア:(兵庫県一部)相生市、赤穂市、たつの市、姫路市、太子町、上郡町